中日落合博満監督(54)が28日、名古屋市内のホテルで行われた球団納会であいさつし、来季は開幕28人を決定する3月31日までレギュラーを固定せず、全員を競争させることを宣言した。今季はキャンプ初日にレギュラー8人を公表することで控えとの「差別化」をはかったが、V奪回を目指す来季は「完全競争主義」で臨む。

 新たな3年契約を迎える落合監督の“所信表明演説”はざんげから始まった。「負けたのはすべて監督の責任です」。就任5年目で最強チームと自負した今季は落合政権最低の3位に終わった。その責任をすべて背負い、その上で来季の方針を明確に打ち出した。

 「来年3月の登録メンバー発表までは全員に競争してもらいます」。

 来季の開幕戦は4月3日横浜戦(ナゴヤドーム)。開幕1軍28人の登録期日が3月31日。落合監督はその瞬間まで支配下登録選手全員を競争させることを宣言したのだ。今季はキャンプ初日にレギュラー8人を公表した。井端、荒木、和田、中村紀、谷繁ら主力選手を自らの現役時代と重ねて、シーズン中の調整など自主性に託した。だが、故障者が続出するなど結果は出なかった。

 「8人と立浪、ベテラン投手を1人前として扱った。でも1人前ではなかった。人間は弱いもので監督が声をかけないと『今年は冷たい』と思ってしまう。昔は『放っておいてくれ』と思ったもんですが、自分たちの時代と同じと思ったのが落とし穴だった」。

 指揮官はその反省から今季と正反対の「完全競争主義」を来季のテーマに掲げた。「ポジションはいくつか空いている。力のある者が残り、力のない者が去る。甘えはありません。皆さんも甘えないでください」。落合監督は04年に就任してからの5年間をひと区切りに、新たなチームづくりに着手する。そのスタートとなった球団納会で、選手たちに強烈なメッセージを発信した。【鈴木忠平】