真弓サプライズは、9番平野!

 阪神平野恵一内野手(29)が21日、横浜市内で労組プロ野球選手会主催の「ベースボールクリスマス2008」に参加した。「走塁革命」を掲げる真弓明信監督(55)の方針に従って、盗塁数アップを掲げた。20日の暫定開幕オーダーでは「8番二塁」だったが、首脳陣の中には9番に置くプランも浮上。自慢の俊足で首脳陣の信頼を勝ち取り、盗塁も、起用のオプションも増やす。同イベントには12球団から35選手が参加し、1万人のファンと触れ合った。

 平野が、真弓監督の方針に呼応した。走塁意識を高めてチーム全体の盗塁数を増やす目標について熱く語った。「赤星さんが出塁できなかった時に(盗塁で)チャンスを広げる。どんどん(盗塁の)サインが出しやすい選手になりたい」。

 今季は主に2番を努め、47犠打を記録。一方、盗塁数はチーム戦術もあって7個にとどまった。その数を大幅アップさせる。

 20日に指揮官が明かした暫定開幕オーダーでは平野は「8番二塁」。もちろん、現段階の想定でシーズン通しての固定でもない。首脳陣の構想には「9番」に平野を置くことで不動の1番赤星と連動させて、切れ目のない打線を組むオプションもある。

 俊足巧打の平野だからこそ起用バリエーションも広がる。真弓監督も11月の秋季キャンプを終えてから「9番野手も平野のような選手ならおもしろいかもしれない」と話している。

 阪神で「9番野手」のオーダーは、DH制の交流戦を除けば、07年5月5日広島戦(甲子園)で赤松(現広島)が起用されて以来となる。平野が9番で起用された場合、犠打のサインが多くなる2番に比べて、盗塁を試みるチャンスが増えることが予想される。

 平野はこの日「まずレギュラーをとってからの話」と、移籍2年目に向けて慢心はない。ただ自慢の俊足が赤星同様に、チームの武器と認められれば「9番平野」という選択肢がプラスされ試合出場も増える。ガッツマンが足でも首脳陣の信頼を勝ち取って、その存在感を大きくアップさせる。【益田一弘】

 [2008年12月22日12時22分

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