日本一を呼ぶ「F」!

 阪神は21日、来季のチームスローガンとロゴマークを発表した。06年以来の変更となるスローガンは「Focus

 on

 this

 play、this

 moment!(そのプレー、その一瞬に集中せよ!)」に決まり、ナインに集中を呼びかける。特に「Focus

 on」を前面に打ち出すことで、日本一となった85年に採用した「フレッシュ・ファイト・フォア・ザ・チーム」を思い起こさせる「F」のイメージで、新生真弓阪神は船出する。

 集中しよう。グラウンドでの戦いに没頭しよう。真弓新監督の元で新たな歴史を刻む阪神がキャッチフレーズに定めたのは、ナインへのストレートな呼びかけだった。

 「Focus

 on

 this

 Play、this

 moment!」。

 サブタイトルとして(そのプレー、その一瞬に集中せよ!)という日本誤訳が添えられる。真弓監督と球団フロントがチーム全体に求める姿勢を「集中」の2文字に集約した。

 真弓監督

 いいですね。単純に分かりやすい言葉でいいかなと思う。一瞬一瞬に集中するということ。これからキャンプなどで選手にも言っていきたい。

 監督交代のタイミングから、球団内でスローガンの変更を検討した。アイデアが60案ほど集まり、「This

 OneとかThis

 Play、この1球とか一瞬にというイメージが多かった」と説明する南球団社長がまとめた。米国人にも通じる英語として「Focus

 on」というメーンフレーズが固まった。

 阪神のスローガン変更は、切り札でもある。85年に吉田新監督の元に定めた「フレッシュ、ファイト、フォア・ザ・チーム」というスローガンは、頭文字を取って3Fと呼ばれた。リーグ優勝と日本一を勝ち取ったこともあり、チーム内外で定着した。今回の新スローガンも頭文字「F」。真弓監督は「そう言えばそうかな」と1番打者を打っていた85年当時を思い返した。

 星野監督は12月の就任時からすばやく新スローガンの必要性を説いた。報道各社からもアイデアを募って、「Never」のフレーズに着目。3度繰り返した上に、屈しないという意味の「サレンダー」をつけてスローガンにした。03年のリーグ優勝を呼び、ファンの間で「ネバサレ」と略されるほど代名詞となった。

 ここ3シーズン、惜しくも優勝を逃したスローガンを脱ぎ捨てた。「フォーカス、オン」と念じながら、真弓阪神は集中力野球で勝負する。【町田達彦】

 [2008年12月22日12時5分

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