セ・パの新旧新人王が「ふぐ」をかけた勝負を演じる。オリックス小松聖投手(27)が9日、出身のJR九州(北九州市)で自主トレを公開した。今年は初めて福岡出身の阪神上園啓史投手(24)も同行。小松は「年齢も近いし切磋琢磨したい」と、今季の勝利数で上回った方がふぐ料理をおごる勝負を吹っかけ、上園も受けて立った。

 関門海峡を間近に望む門司のグラウンド。寒風を吹き飛ばすように約4時間もハードトレを続けた小松が笑顔で切り出した。

 小松

 上園、勝負しようか。ふぐでいいか?

 勝ち星の多い方のおごりな。でもふぐじゃ安いかな。

 上園

 (昨季)15勝と4勝で賭けですか。どっちも2ケタいったらタイってことでどうですか…。

 プロ2年間で計12勝の上園にすれば昨季15勝3敗、WBC代表候補の先輩相手では少々分が悪い。一瞬ひるんだが「負けない」と言い切った小松の自信に触発されたか、「僕も開幕から波に乗れればいける」と強気に応戦した。

 小松の仕上がりは順調だ。WBCボールでキャッチボールを行い、バレーボールやテニスボールを使った下半身強化トレ、サーキット運動で徹底的に足腰を鍛えた。「腕だけでなく下半身主導で投げるクセをつける練習です」。昨季の実績に浮かれる気配はない。来週にはブルペン入りの見通しが立っている。

 上園にも秘策はある。一緒に自主トレするオリックス加藤から、野茂英雄氏直伝のフォークの握りを教えてもらった。「試したいですね」と敵陣から贈られた“塩”が再ブレークへの新兵器になるかもしれない。厳しい合同練習は今月下旬まで予定。1年後、ふぐを前に笑うのはどちらか。【柏原誠】

 [2009年1月10日11時33分

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