日本ハムの今季主将に稲葉篤紀外野手(36)が就任することが18日、決まった。梨田監督から昨年末に打診され、ヤクルト時代も含めてプロ15年目で初の大役を受諾。金子誠に代わり、リーグV奪回、3年ぶりの日本一を目指すチームを託された。チーム最年長だが「若い選手が多いのでコミュニケーションをとっていきたい」と対話路線で、まとめていく決意を見せた。

 日本ハム5年目で名実ともにチームリーダーに指名された。梨田監督は「ソフトバンクもいろいろあったし、社会人として基本的な人間としての教育もしてほしい」とユニホーム姿の一面だけではなく、人間性も評価。ライバル球団の未成年選手の飲酒問題を引き合いに出し、選手教育徹底も期待されての任命だった。

 硬軟織り交ぜた操縦術で束ねるのが目標。遅刻などの規律違反には「そういう部分は厳しく。礼儀とかもしっかりやっていきたい」と誓いを立てた。「楽しくやるチームだから、言うこともない」と自主性を重んじ、明るいチームカラーという特長も今後伸ばしていく考えだ。

 アマ、プロと第一線を歩んできたが、主将は中京大中京3年時以来、19年ぶり。17日に都内で行われた日本ハム本社の展示会で、集合した他選手を前に所信表明を行い、初仕事を終えた。昨年末に電話で直接、打診された際には一瞬たじろいだが、即決した。「4、5秒くらい『あ、そう…』ってなりました」。支持率が低い、あの人がフラッシュバックする“あ、そう主将”誕生の裏話を披露したが、もちろん稲葉主将は心配ない。【高山通史】

 [2009年1月19日11時28分

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