WBCへロケットスタートだ!

 楽天田中将大投手(20)が1日、沖縄・久米島での春季キャンプで、初日からブルペンで88球を投げる猛アピールを見せた。直球、スライダーともに球威は十分で「1年目、2年目に比べて今年が一番いい。キャンプ初日であれだけ投げられたのは初めて」と自画自賛するほどの出来。2週間後に控えた宮崎での日本代表合宿へ向け、「満点」発進した。

 納得のいくボールに思わず声が出た。「よしっ!」。当初の予定を大幅に超える球数でも、疲れより充実感に浸った。「末広がりの88(球)ですよ」。日本代表の原監督が巨人で着ける背番号も「88」だが「そうですね。でも代表では『83』でしたよね?」とニヤリ。自身が投げるボールの力強さが、代表入りを近づけることを十分に分かっていた。

 代表合宿までの2週間はフォーム修正に費やす。昨年の秋季キャンプから左ひざが開くクセの修正に着手した。「まだ開く時はあるけど、だいぶできてきたと思う」。佐藤投手コーチも「低めのボールが強くなってきた」と手応えを感じていた。この日はWBC使用球で苦戦しているカーブの特訓も行った。ブルペンで見守った野村監督も「今年の課題はなんだって聞いたらコントロールと答えていた。その通り。コントロールがよくなる正しいフォームで投げれば、スピードも速くなる」と納得顔だった。プロ最高のスタートを切ったマーくん。20歳の成長は、南国の空の下でさらに加速する。【小松正明】

 [2009年2月2日9時11分

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