3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表のスタッフ会議が2日、宮崎市内で行われ、審判への“文句禁止令”が発令された。第1回大会では、米国のボブ・デービッドソン審判の「誤審」に始まり、国際大会での審判への不信は根強く残っている。北京五輪では審判へのヤジを連発。微妙な判定を不利に取られるなど、国際大会での審判との相性は芳しくない状態が続いている。その関係を修復するための処置として、原監督からコーチ陣やスタッフに審判への“文句禁止令”が言い渡され、メンバーが決まり次第、選手にも徹底させる方針が決まった。

 日本球界では、ストライク、ボール判定に選手がクレームをつける光景は当たり前となっている。しかし、メジャーや国際大会での審判の権威は高く、日本の常識は通用しない。判定に対し、不服そうな態度を取っただけで退場になることもあり、審判の報復行為として、その後のジャッジが不利になるのは、当たり前になっている。

 情報収集をしていく中で、審判員による日本代表への印象が悪いことが判明。関係修復を図るため、原監督が「文句を言わないように」と厳命した。会議の席では内密にするように言い渡されていたが、高代守備走塁コーチが「代表として恥ずかしくない振る舞いをしようという話がありました。例えば審判に対する尊敬の気持ち。日本人の評判は良くないらしいから、印象は大事だ。損しちゃいけないからね」と裏事情を話してしまったため、明らかになった。サムライジャパンの武士道精神は、まずは審判への不服を言わないことから実践されることになった。

 [2009年2月3日8時40分

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