巨人宮崎春季キャンプ第1クール3日目の3日、原辰徳監督(50)がドラフト1位大田泰示内野手(18=東海大相模)を初めて直接指導した。練習コンビの中井とともに昼すぎにエアドームに入ると、自ら打撃投手まで務め、身ぶりを交えた指導は2時間10分にも及んだ。大田は「すべてが新しいことばかり」と感激。師弟の二人三脚がついにスタートした。

 中の見えない室内ドームには、2人だけの濃密な時間があった。原監督自らティーをあげ、打撃投手を務めた。合計約200球。監督は気付いた点があるたび投球をやめ、自らスイングして手本を示した。「当たり前のことだが、何かプラスになればいい。誰しもが認める素材。いい形で前に進んで欲しいね」。初の直接指導を振り返った。

 東海大相模高の大先輩で、同じ右の長距離打者。初日からフリー打撃を観察し、原打法を直伝する機会を待っていた。原監督は「(打撃の)イロハの部分だよ」と話したが、大田にとっては何もかもが新鮮だった。「シンプルに打とう」という簡単な言葉が心に残ったが「初めて聞いたことが多かった。普通にやっていては打てない。『しっかり実行すれば打てる』と言われました」。教えを思い出すように言った。

 午前のノック中、「いつでもスタートを切れるように」と体の重心の位置も指導してもらった。「監督から教えていただき、結果を出す。それがチームのためになる。結果で応えたいです」。連日フリー打撃で見せた飛距離に技術を加えていく。ダイヤの原石に、いよいよ磨きがかかる。【宮下敬至】

 [2009年2月4日8時23分

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