ウッズよりスイングが速かった!

 中日の新外国人トニ・ブランコ内野手(28=ロッキーズ2A)が4日、北谷球場で行われたケース打撃で脅威のバットスイングを披露した。1死三塁で中前打を放った打球が初速170キロを計測。昨年までの主砲ウッズも本塁打の初速は150キロ台で、常識破りのスケールを見せつけた。今後の実戦で真価を問われるが、年俸30万ドル(約2700万円)の格安助っ人がまた株を上げた。

 投手の球速を計っていたネット裏のスピードガンが異常な数値を表示した。「170」。投球ではなく、ブランコの中前に抜ける当たりをとらえた誤作動だ。だが、打球だとしてもふつうでは考えられない数字。平松スコアラーが驚きの声をあげた。

 「こんなの見たことない。(打球が放物線を描く)ホームランでも170キロを出せるかというと別の話だが、ウッズや中村紀でも160キロを超えることはほとんどなかった。確かに打球は速い。ガンが壊れているのではないはずです」。

 ブランコにとって投手のボールを打つのは今キャンプ初めて。全野手のトップを切って打席に入り、左腕久本に対した。無死一塁、無死二塁でバントを2回失敗した後、フリーに打てる6球目に左中間へ130メートル弾。そして8球目。シンでとらえた打球が“ウッズ超え”の初速170キロをたたき出した。それでも本人は平然。「打球が速いのはオレの持ち味。今日はストレートとわかっている中で打ったので、あまり関係ないよ」と話した。

 だが、持ち味はスイングの速さだけではなかった。内野ノックではユニホームが泥で汚れることもいとわずダイビングキャッチを試みた。ケース打撃では走者役としても本番さながらのスライディングを見せた。巨人田畑スコアラーは「予想外の動き。ユニホームが1番汚れてるんじゃないか」と野球に対する姿勢を警戒。それでも「あたりまえのことをしているだけ」と意に介さない。

 退団したウッズの代役として期待は膨らむ。年俸は昨年のウッズの6億円に遠く及ばない30万ドル(約2700万円)。メジャーでの実績も乏しく、落合監督の構想でも「4番」を外れているが、日本で大化けする外国人選手の例は多い。実戦で結果を出せば、評価は上がっていく。「ウッズのようになりたい」と話す格安助っ人は、ハングリー精神むき出しでアピールする。【村野

 森】

 [2009年2月5日10時12分

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