え?

 これもダメ?

 楽天田中将大投手(20)が12日、沖縄・久米島野球場で紅白戦に先発登板し、今季から採用される「15秒ルール」でボールを取られた。1回無死、田中はカウント2-1から「ボール」の宣告に、一瞬動きを止めた。その後「審判がベースを掃いていて投げられなかった」と右手でしぐさを交えてアピールした。飯塚球審は首脳陣に向かって「後で検討する」と伝えると、そのまま試合続行。各地で話題となっている「15秒ルール」が適用された。

 新ルールでは「投手が捕手から球を受け取ってから15秒以内」に投球動作を始めなければ、ボールが宣告される。今回のケースは時間を計った山本二塁塁審が、ベースを掃除している時間も15秒に含めたために起きた。前川審判部長は「球審が(掃く前に)タイムをかければよかった。はっきりしないと15秒たってしまう。球審と塁審の連携の問題」と説明した。結果的には、田中がルール適用の検討課題を生み出すことになった。本人も意識していただけに「今日は頭に入れていたし、急いで投げた。(サインに)首を振ったら(15秒以内は)きついですね」と率直に言った。

 それでも「ここで何を言ってもね」と大人の対応を見せた。“15秒騒動”に惑わされず、今季初実戦を2回1安打無失点と好投。間近に迫った代表候補合宿に向け、弾みをつけた。「いい感じです。他の人たちも仕上げてるし、このまま失速しないようにします」と気を引き締めた。WBCでは海外の審判の判定も受けるが、ハプニングにも負けない不動心があれば心配はない。【小松正明】

 [2009年2月13日8時39分

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