限界まで追い込めた-。広島が12日、沖縄キャンプを打ち上げた。11年ぶりに参加した前田智徳外野手(37)は「限界を超えてます」と振り返った。連日ハードメニューをこなし、体をいじめ抜いた。ブラウン監督は「彼はよく動けている。このいい状態を続けてほしい」と期待を寄せた。

 例年は宮崎・日南で2軍とともにマイペース調整を貫く。今年は球団の意向もあり沖縄スタートとなった。ベースランニングなど一部を回避することはあった。それでも12日間、ほぼフルメニューをこなした。「ここに来た以上はメニュー通りにこなす。たくさん不安もあったんですが、何とかね。仕上がり?

 そこまで考えてないよ」。淡々と話す表情は、沖縄の太陽ですっかり黒く焼けていた。

 疲れがたまってくると、体のケアは欠かせなかった。鈴川トレーナーは「体のはりはありました。肩と下半身、動かしながらリハビリをする。長い時は1時間半ぐらいやった。体を追い込めたことは、よかったと思います」と説明する。同トレーナーによれば、手も足もマメがいっぱいだったという。それでも“完走”した。「沖縄、ありがとうですね」。前田智がポツリと言った一言が、20年目にかける気持ちを表していた。【網

 孝広】

 [2009年2月13日10時51分

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