第4の先発が決まらない。阪神先発陣に暗雲が垂れ込めた。26日行われた紅白戦に実戦初先発した福原忍投手(32)が新井に1発を浴びるなど3回7安打4失点と不調。2番手で初登板した金村暁投手(32)も2回2安打1失点と課題を残した。せめて1人は先発合格の手応えが欲しかったが、安藤、下柳、岩田に続くローテーション3枠は依然白紙。打線爆発の陰で不安要素がのぞいた。

 中でも昨年、右手人差し指の骨折で8試合の登板に終わった福原への期待は大きかった。だが真っすぐ、変化球ともキレや制球が今ひとつで、毎回の3イニングで長短打を浴びて失点。真弓監督は「本当のキレが出る時期じゃないから」とかばったが、本心は穏やかではないだろう。本来なら、実績からしても最も第4の男に近い男。福原も期待は十分分かっているだけに「悔しい。色々直さないとダメ」と厳しい表情で話した。

 悠長なことは言っていられない。山口投手コーチは「次は違うもんを見せてもらわんと困る」と厳しかった。急きょ安芸キャンプ打ち上げ前日の3月2日に紅白戦を設定。福原と金村暁を登板させるプランを明かした。2人にとっては、いわば追試。次回の結果次第では、早い段階で先発失格の判定が下されてしまうかもしれない正念場となる。

 先発残り3枠争いは依然、だれにも決め手がない。福原と金村暁に加え、候補となる石川、上園、杉山、玉木、白仁田、黒田、リーソップらは、横一線状態だ。果たして誰が抜け出て真弓監督を喜ばせるのか?

 【松井清員】

 [2009年2月27日10時19分

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