<オープン戦:巨人6-7ヤクルト>◇17日◇長良川

 1軍生き残りをかけた巨人の「サバイバル戦争」が、消化不良のまま終盤戦を迎えようとしている。開幕ローテ入りを狙う西村健太朗投手(23)が5回途中6失点で降板し、打線も7回まで2安打に抑え込まれて敗れた。WBC組が帰ってくるまでが勝負の若手にとって、残された時間はあとわずか。巨人伊原春樹監督代行(60)も「最後の追い込みを!」とハッパをかけた。

 中継ぎから心機一転、先発に転向した西村健の開幕ローテ入りが遠のいた。変化球の制球に苦しみ、甘く入った直球を狙い打たれた。8安打を浴びて6失点。5回途中に右手中指のマメをつぶして降板し「簡単に打たれすぎ。緩急の使い方をもう1度、考え直したい」と猛省した。期待の分だけ首脳陣の落胆も大きい。伊原監督代行は「西村?

 リズムが悪かった。先発枠?

 まだ分からないが、今のままでは先発としては苦しい」と、渋い表情を浮かべた。

 チャンスを生かせなかったのは、西村健だけではない。打線も7回まで主力のラミレスと鈴木による2安打だけと沈黙した。8回以降に新外国人アルフォンゾの適時打などで追い上げたものの及ばず、巨人はオープン戦3勝7敗で最下位のまま。勝敗にこだわる必要のない調整の場とはいえ、海の向こうでサムライジャパンの指揮を執る原監督を安心させるような戦いを見せられていないのが現状だ。

 WBCでエース(内海)や主砲(小笠原)、正捕手(阿部)が不在。リリーフ左腕の山口も、外野手の亀井もいない。若手には例年以上に多くの出場機会が与えられてきたが、本格的な1軍と2軍の振り分けまで残された時間はあと少ししかない。この日で13泊14日の遠征が終了。19日からは本拠地東京ドームでのオープン戦が始まる。「(若い選手たちにとって)最後の追い込みの時期ですよ」。伊原監督代行は強烈な“末脚”に期待している。【広瀬雷太】

 [2009年3月18日9時25分

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