「小久保語録」が勝利への合図だ。今季主将に就任したソフトバンク小久保裕紀内野手(37)が3月31日、円陣の声出しでも“フル出場”を宣言した。恒例となった試合直前の円陣。声を出す選手を日替わりで決めていたが、今季は新主将が全144試合で先頭に立つ。何を発するか頭をひねる大変な作業になるが、スポーツから時事問題まで幅広く関心を持つ「タカの兄貴」が、渋~いセリフで仲間を鼓舞する。目指すは03年以来の日本一しかない。
主将による「勝利へのひと言」は最大144パターンに及びそうだ。恒例となった試合直前のベンチ前で組まれる円陣。昨年まで日替わりだった声出し役について、小久保は「基本的におれがやる」と笑顔で明言した。
高校球児なら「気合入れていくぞ」「集中していくぞ」など想像はつくが、小久保の場合はどうか。「言うことはあまりないかもしれないけど、新しいものを考えるのも楽しい。いろんな言葉でね」と声を弾ませた。チームのボルテージを高めるとっておきのフレーズを数々、用意する考えを示した。
すでに全試合出場を目標に打ち立てた。必然的に声出しも“フル登板”するわけで、チーム最年長、そして主将として、ワンパターンでは示しがつかない。責任感を自覚する意味でもあらゆる言葉で訴えかける。試合の注意点やリベンジへの思いなど、内容は多岐にわたる。その中でも書籍は1つのアイテムになりそうだ。
小久保はチーム内で1、2位を争う読書家。自宅の書棚に収まらず、和歌山市の実家にも1000冊以上を保管する。「本屋に行っていると、その時の自分に必要な本が自然と見つかる」といい、シーズン中の移動日には空港や駅の本屋に足を運ぶ。国内外の自己啓発本を中心に小説、雑誌など興味は幅広い。新聞やテレビの時事問題にも関心を持っており、今シーズンはさらに「引き出し」を増やして、仲間を鼓舞する“殺し文句”に磨きをかける。
ホークスの主将制復活は秋山監督が現役時代の99年に務めて以来、10年ぶりのこと。この年は初優勝、初日本一を達成と縁起のいい制度でもある。さらに今年はオープン戦を8年ぶりに1位で終えるなど、チームの雰囲気はいい。
開幕までカウントダウンに入り、小久保は「前半で3、4点差がついても、1点を返したら分からんぞという野球をやっていきたい」と、粘り強く戦う姿勢を強調した。その大切な出陣の合図を繰り返していけば、かけがえのない小久保語録が出来上がる。必ず6年ぶりの優勝が見えてくるはずだ。【押谷謙爾】
[2009年4月1日10時25分
紙面から]ソーシャルブックマーク




