<ロッテ2-5西武>◇3日◇千葉マリン

 パパは最高にかっこよかった。西武細川亨捕手(29)が6回1死一、二塁で、ロッテ清水から左中間に逆転3ランを放った。開幕戦がちょうど長男の3歳の誕生日。「息子と約束していたので、絶対打とうと思っていました。ハッピーバースデー、旺輝(おうき)」。ヒーローインタビューは、スタンドで観戦した息子に向かって笑顔で優しく語りかけた。

 チームにも、大きな1勝をもたらした。拙攻の連続だった嫌なムードを、一振りで変えた。本調子でない涌井を粘り強くリードし、勝ちをつけた。「配球ミスもあったけど、ワクが頑張ってくれた」とたたえれば、涌井は「細川さんに助けられました」と感謝しきり。昨季苦手にしたロッテを2点に抑えこんだ。

 WBC最終メンバーから漏れた悔しさはあっても、人前では決して見せない。2月の日本代表合宿で落選を言い渡された日もそうだった。その夜、代表入りした中島、片岡、涌井を連れて、焼き肉をごちそうした。明るく気丈に振る舞い「自分の分も頑張ってこい」と無言のエールを送った。つらい時は、家族に支えられた。ホームランボールは、旺輝くんへの最高の誕生日プレゼントになった。【柴田猛夫】

 [2009年4月4日9時16分

 紙面から]ソーシャルブックマーク