<日本ハム5-6楽天>◇4日◇札幌ドーム

 楽天が、今季フリーエージェント(FA)で中日から加入した中村紀洋内野手(35)の2打点などで日本ハムを6-5と振り切り、球団初の開幕2連勝を飾った。野村克也監督(73)の開幕2連勝はヤクルト時代の97年以来、12年ぶり6度目。その97年は日本一になっている。まだ開幕2日とはいえ、パ・リーグ単独首位。こりゃ~、春から縁起がいい、か?

 辛くも逃げ切り開幕2連勝。楽天野村監督は「こんな試合続いたら、死んじゃうぞ」と悲鳴を上げたが、顔は満面の笑みだった。右手には2日続けてのウイニングボール。「昨日も今日もオレに持ってくるんだよ。140個貯まったら、入れるところなくなるよ」と、うれしそうに見せびらかした。開幕2連勝は球団史上初で、野村監督にとってはヤクルト時代の97年以来。「孫も12歳になる」とジョークを言うほど久しい感激。その97年は日本一に輝いており「春から縁起がいいわい」とご満悦だった。

 2連勝はリーグで唯一。昨年4月3日から2日間だけ経験済みの、単独首位に躍り出た。勝利を支えたのは、今季加入した中村のバットだった。1回2死一、二塁。カウント0-1から低め直球を弾き、右中間を破る先制2点適時二塁打(送球間に三塁へ)とした。移籍初安打が初打点となり「チャンスだったから積極的に行こうと。それがよかった」。チームのために先制点を-。センター中心の打撃こそ、中村のメッセージだった。野村監督は敏感に反応した。「彼らしい、いいバッティングをしてくれた。状況優先の。その辺が、ベテランの味だね」と、何より打球の方向を喜んだ。

 1年契約の野村監督の任期を「1年でも長く延ばす」と公言し、中村は楽天に来た。だが、前日の開幕は無安打に終わった。「昨日、1人乗り遅れたので、いい場面で打てて、よかった。今日、(安打が)出ないと“はまるパターン”だったんでね。安打が出るか不安だった。やっと開幕を迎えられた。明日から楽に打席に立てる」。ホッとすると同時に、5日からエンジン全開と意気込んだ。

 新主砲が打ち、投手陣はほぼ総動員でしのぎきった。今年の勝ちパターンを予想させる一戦に、野村監督は「昨日、ダルに黒星を付けただけに、今日の勝ちは意味があります」と、大きくうなずいた。【金子航】

 [2009年4月5日8時25分

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