<ソフトバンク2-5オリックス>◇4日◇福岡ヤフードーム

 オリックスのタフィー・ローズ外野手(40)が長嶋茂雄氏(73=巨人終身名誉監督)の通算444本塁打に王手をかけた。3-0の5回無死二塁から右翼に2ラン。「ちょっと詰まったネ」と振り返ったが、打った瞬間にサク越えを確信した。日本13年目で443本目となる1発はチームの今季1号でもあった。

 その直前の4回には中堅フェンス最上部に当てる二塁打。前日の開幕戦では和田に14三振の完封を許した。2日連続で苦汁をなめるわけにいかない。重苦しい打線の雰囲気が4番の一打で変わった。好機を逃さず北川が先制の右越え二塁打。日高、大引も連続適時打で続いた。「まず回の頭でチャンスをつくり、次の回は走者をかえせた。いい形になったよ」と笑った。

 カブレラ、ラロッカ、フェルナンデスと4人が今年のチームの「顔」。だがローズだけは別格だ。1日の決起集会ではリーダーとして乾杯の音頭をとり「みんなで頑張ろう」とあいさつ。流ちょうな日本語で場を盛り上げた。

 3日、41歳の誕生日に大活躍した阪神金本にも負けていない。「僕は8月まで41歳にならないけどね(笑い)。野球は若い人がやるスポーツだけど、僕や金本さんが頑張ってるのは気分いいね」。オリのアラフォーは胸を張った。

 大石監督に「いつでも守れるから」と事前に伝え、2日連続でDHではなく左翼を守った。「タフィーには負担をかけている」。指揮官も、攻撃的打線を組むために体を張ってくれる主砲に感謝。今年も元気なミスター・バファローズが、5日にもミスター・ジャイアンツに肩を並べる。

 [2009年4月5日11時31分

 紙面から]ソーシャルブックマーク