<ヤクルト3-4中日>◇7日◇神宮

 開幕4連勝を飾った中日が、手痛い代償を負った。正捕手の谷繁元信捕手(38)が負傷退場。5回、第2打席で左翼ライン際にファウルを打った際、一塁ベースを回ったところで突然うずくまり、そのまま動けなくなった。病院に直行後は宿舎で静養。右ふくらはぎを痛めたと見られるが、落合監督は控え選手の層の厚さに自信を見せ、強気な姿勢を崩さなかった。

 藤井の2ランで同点に追いついた直後に悪夢が待っていた。5回無死走者なし。8番谷繁が左翼線にファウルを打って走りだし、一塁を回ったところで突然うずくまった。顔をしかめたまましばらく動けず、右足を引きずりながらベンチに下がった。そのまま小田と交代。右ふくらはぎに氷嚢(ひょうのう)を当てたまま病院に向かった。しばらくして宿舎に戻ったが「状態?

 わからない」と言葉少な。開幕4試合目、痛恨のアクシデントだった。

 チーム方針で詳細は明かされなかったが、右ふくらはぎを痛めたとみられる。谷繁は今季、腰痛をかかえてキャンプイン。開幕までを逆算し、慎重に別メニュー調整してきた。オープン戦残り2試合の時点でフル出場を解禁。開幕スタメンマスクをかぶった。腰をいたわりながらの調整が、足に何らかの影響を与えていた可能性は否めない。

 チームにとっても痛いアクシデントだ。谷繁はナゴヤドームでの開幕3連戦で投手陣を自責0に導いた立役者。この日も今季初登板の朝倉を巧みにリードしていた。打撃でも5日の横浜戦で2点タイムリーをマーク。「バットは振れている。この調子がどこまで続くか」と話していた。何より精神的支柱であるだけに、周囲に与える影響は計り知れない。

 今後は様子を見て決められるが、出場選手登録を外す可能性もある。落合監督は「こういうときのために70人がいるんだろ。キャッチャーはいます。何も心配してません」と話した。開幕4連勝に沸く神宮左翼スタンドの大観戦の中、広がる不安を強気なコメントで封じ込めた。

 [2009年4月8日11時18分

 紙面から]ソーシャルブックマーク