<巨人5-4中日>◇25日◇東京ドーム

 首位を走る巨人が劇的な逆転サヨナラで中日に競り勝って、2位と4・5ゲーム差に広げた。2点差の9回、代打で登場した亀井義行外野手(26)が、岩瀬仁紀投手(34)からセンターへ今季1号逆転サヨナラ3ランを放った。巨人で代打逆転サヨナラ弾は99年の石井浩郎以来。守護神マーク・クルーン投手(36)が右手中指けんしょう炎で出場選手登録を抹消され、自慢のリリーフ陣も不調。勝利の方程式が崩れたピンチで、亀井のひと振りがチームを救った。

 迷いはなかった。亀井は初球から積極的に振ることを決めていた。「正直、決めるつもりでした。代打はそのつもりでいかないと」。2点差の9回、無死一、二塁に代打で登場。守護神岩瀬の初球、スライダーをフルスイングした。今季1号はセンターへの劇的な逆転サヨナラ3ラン。亀井は「野球人生で初めてのことで…。頭の中は真っ白でした。前のランナーの谷さんを追い越しそうになりました」と、ペースを緩めダイヤモンドを回った。

 お立ち台の最中、センター電光掲示板でリプレーが流れた。主役の声はどよめきでかき消された。大拍手を浴びた後、「間違いなく優勝します」と、締めくくった。

 打席に向かう直前、原監督に「何もない。お前さんに任せたぞ」と背中を押してもらった。後続には2安打の坂本が控え、送りバントも考えられる場面だった。だが原監督は亀井に託した。亀井は「正直バントもあるかな、って思ってたところ。あの言葉で一層、集中できた」。原監督は「バントだったら、ほかの人を送ってます」と舞台裏を明かした。攻撃的なタクトと打撃。2人の一致した思いが詰まっていた。

 開幕戦は1番だった。しかし、持ち前の積極性を生かせず4試合で外れた。前日24日には右腕山井が先発でもスタメン落ちした。今週、構えたトップの位置をわずかに下げ、バットがスムーズに出るようフォームを調整。この日の試合後も特打ルームに直行したほどだった。「投手が右でも左でも打順も関係ない。準備をするだけ」と、モヤモヤを晴らす劇打だった。

 チームの暗雲も吹き飛ばした。試合前にクルーンが故障離脱。疲労がたまる中継ぎ陣が逆転を許した。中継ぎの話題になると、静かな口調に変わった。「みんな本当に頑張ってる。豊田さんだって、山口も…。何とかしないと」。さらにお立ち台で強調した「ピッチャーが頑張ってた。野手が何とかしなくては」の言葉を繰り返した。

 亀井を代打で送り出した原監督は「ちょっと、神がかったような。まばたきしながら見た感じです。まさに起死回生。もっといい言葉があるなら、使いたいねえ」と目を細めた。ひと息ついて、岩瀬の宝刀スライダーをたたいた1本を評した。「いろいろなミスを彼1人が帳消しにした。チームを救ってくれました。今後の起用が変わる?

 そりゃそうですよ」。チームの軸になる-。自信を持って亀井を認めた。【宮下敬至】

 [2009年4月26日9時12分

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