<オリックス11-3日本ハム>◇26日◇スカイマーク

 オリックスのタフィー・ローズ外野手(40)が記録ずくめの3発だ。日本ハム戦で1試合3本塁打を放った。4回の先制ソロは史上12人目、外国人選手では初の通算450号。王貞治ソフトバンク前監督(68=現ソフトバンク球団会長)に次ぐ史上2位のペースで到達した。5回に9号3ラン、8回にも両リーグ一番乗りの10号となる2ランと、計6打点の大爆発で快勝に導いた。日本ハム榊原、谷元からは初アーチ。本塁打を放った投手が通算225人にのぼり、並んでいた清原和博氏(41=日刊スポーツ評論家)を抜いて単独で史上1位になった。

 「史上最強助っ人」ローズが、さすがに興奮を隠せなかった。お立ち台で何を聞かれても「サイコーデス!」と絶叫した。「カンペキデス」と1度答えた以外は4度同じ言葉を繰り返した。7年ぶり2度目の1試合3発。しかも、いくつもの肩書がつく、価値ある3本だった。

 1本目で歴史をつくった。4回1死、榊原の低めの147キロを右中間に運んだ。2試合目の対戦だった新人榊原はアーチを浴びせた224人目の投手。清原氏の記録を抜いた。節目の450号に、花束を誇らしげに客席に掲げた。

 5回にはバックスクリーンに試合を決定づける3ラン。8回にも新人谷元から中堅左にトドメの10号2ラン。打球が上がるたびに歓声が球場を包んだ。谷元からも初アーチ。“コレクション”は225人に達した。

 ローズ

 1本目はあれがチームにとっての先制点。2本、3本と打って、それでチームが勝てたのが一番うれしいよ。450号には誇りを持ちたい。225人?

 もっと新しい投手を増やしたいね。

 来日13シーズン目。これほど日本に適応できた助っ人も珍しい。支えるのは貪欲(どんよく)な探求心。初対戦の投手の特徴は自宅やホテルに帰ってすぐメモに書き記す。試合前には相手投手のビデオや特徴を水口打撃コーチ、スコアラーと何度も確認。典型的な「球種を読んで打つ」タイプだが、それを可能にするのは綿密な準備があるからだ。

 謙虚さもある。21日の西武戦では岸のカーブに泳がされて二ゴロに倒れた。旧知の関係者から「右肩が開いている。球が来た方向に打ち返す意識を持った方がいい」と指摘され、素直に耳を傾けた。3本塁打はすべて中堅方向。力任せに引っ張らないから打率も残る。打率4割4分1厘でトップの日本ハム金子誠に並んだ。10本塁打はもちろん両リーグトップだ。

 巨人時代の同僚で親交のある清原氏の記録に並んだ19日の楽天戦後には同氏から祝福メールが入り、日本語で「ありがとうございます」と返したという。「今日もメールが来るかもしれないね」。清原氏のように記録にも記憶にも名を残す怪物助っ人は、まだまだ歩みを止めそうにない。【柏原誠】

 [2009年4月27日9時18分

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