<楽天2-1日本ハム>◇29日◇Kスタ宮城

 お祝い一色のムードが居心地悪そうだった。2人の孫から「1500勝」と書かれた絵をプレゼントされても、沙知代夫人(77)からキスのプレゼントを受けても、楽天野村克也監督(73)は、くすぐったそうな笑顔をみせた。偉業達成の感想を問われても「通算記録だからね。今まで優勝の瞬間のウイニングボールも、もらったことあるけど、それとは味が違う。塩味と、しょうゆ味くらい違うんじゃない?」と照れ隠しに終始した。ただ、2万人を超えるKスタ宮城での達成には、ファンを常に意識する監督らしく「満員の中でね、偶然とはいえ、区切りの記録と遭遇した。晩年になって運が向いてきたのかな?」と喜んだ。

 ボヤキと書いて野村と読む。だが、記録達成のこの日は、ボヤキ無用だった。「今日は、マー君と心中って腹くくっているから。彼が投げるときは、1回もブルペンの様子を聞いたことがない。本当のエースと言っていいんじゃないの?」と信頼感を並べ立てた。

 1500勝監督は歴代5人目。あと86勝で水原監督に並ぶ。「そんな大監督に並べないでよ。我々の選手時代の大監督。三原、水原、鶴岡。そんな大監督の上に行っちゃいかん。次の目標?

 水原さんの1歩手前まで行くよ」と、やっぱりくすぐったそうに話した。ボヤキ0%の会見を終え、クラブハウスに戻る道、ようやく一言ボヤいてみせた。「こんなことで喜んでいる場合じゃない。もっと大事なことがある」。記念の1勝で、チームは首位タイに返り咲いた。「オレ自身も本当に強いのか、チームが順調に進化しているのか手応えは感じない。それだけに、5月を乗り切ったら、行くでしょう」。個人の記録ではなく、チームの戦いにしか興味はない。【金子航】

 [2009年4月30日8時19分

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