日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が、先発が濃厚な30日阪神戦(札幌ドーム)へ向けて「フレックスタイム」の特権を与えられ、万全で臨むことになった。横浜戦(横浜)が行われた29日、チームと離れ単独で札幌入り。蓄積された疲労を考慮され、チームと相談の上、負担を軽減するための特別措置で、虎倒への最終調整を完了した。

 この日、都内から移動して午後4時に札幌市内の室内練習場へ到着。約40分間、ストレッチとランニングメニューで汗を流した。チームスタッフも帯同せず、1人で登板前日のルーティンを消化。「明日の準備のためにこっちで練習できるようにスケジュールを変えてもらいました」。充実の1人の時間を過ごした。

 特例だった。日本ハムでは通常、先発投手は試合途中に球場から帰宅、帰宿しても良い「早上がり」が認められている。登板前日に遠征地へ移動する際も、チームに帯同してから、球場を後にするのが通例だ。この日は雨天中止の試合が組み込まれ、本来なら移動休日。ダルビッシュは前回登板から、それを想定して調整していたこともあり、チーム内の“法令順守”を徹底する必要はない、との柔軟な判断もあったようだ。

 現在は自身6連勝中だが、WBCからの勤続疲労などの影響もあり、体調は完ぺきとはいえない状況にある。5年目の今季は現状を受け入れて対応し、ジョークが飛び出すほど心には余裕がある。「練習はしたけど、投げるかどうか分かりませんよ~。(先発は)明日じゃないッスよ」。静かに羽を休めたエースは満を持して、虎の牙を抜きにかかる。

 [2009年5月30日10時1分

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