<阪神4-0オリックス>◇5日◇甲子園

 阪神の新助っ人クレイグ・ブラゼル内野手(29)が、デビュー戦で勝利の使者になった。0-0の6回、第3打席で豪快に左中間へ決勝2ラン。貧打に苦しむ虎に現れた救世主だ。

 自慢のフルスイングから放たれた打球は浜風とは逆、左から右への風が吹いていたが関係なかった。「ガツン」と強烈な衝撃音を残し、滞空時間の長い打球が左中間最深部にスタンドインした。

 ブラゼル

 アンビリーバボー!

 本当にどう表現したら良いか分からないし、信じられない!

 初めてのヒットがホームランになって、0-0から2点を取って…

 興奮し過ぎたよ。

 「6番一塁」で迎えた虎デビュー戦。0-0の6回1死二塁。西武時代の昨季、19打数3安打12三振と苦手としたオリックス金子を打った。さらに8回にも左前打を放ち、2安打2打点2得点。「(西武に所属した)去年の初戦よりも緊張した。心臓が飛び出しそうだった」。すべてのプレッシャーを力に変えた。

 今季はオリオールズの春季キャンプに参加しながら出場機会を求め、マイナーリーグではなく米独立リーグのセントポール・セインツでプレー。安い報酬、悪環境にめげず、日本行きを勝ち取った。当時の仲間とともに収まった写真は大切な宝物だ。関係者から手渡され「米国の自宅に飾る予定なんだ」と笑う。持ち前のハングリー精神が最大の武器だ。

 この日は9月に第1子を出産予定のラニー夫人(29)も一塁ベンチ後方の内野席から観戦した。膨らんだおなかをさすりながら必死で声援。夫の活躍を見届け「誇りです。何かおいしいものを食べたいなら帰って作ってあげたい」と喜んだ。【佐井陽介】

 [2009年6月6日8時17分

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