<日本ハム9-1中日>◇13日◇札幌ドーム

 おやじシリーズと銘打った特別カードの主役は、22歳のパパだった。日本ハム・ダルビッシュ有投手が、ハーラートップタイの8勝目をゲットした。大量援護を背に中日打線を8回無失点。マウンドを降りてからの会見では、またも「剛球」をさく裂させた。防御率1・20として公私でかわいがる楽天田中に0・09差へ肉薄した。勝ち星でも並び、先輩の威厳を見せつけた。

 ダルビッシュ

 別に何も考えず…。僕は防御率とか考えると良くないんで。チームに1勝を、もたらすことだけ考えれば、あいつなんか、すぐ簡単に抜けるんじゃないですか(笑い)。

 日本を代表するもう1人の右腕を“あいつ”とまで呼べる、根底の自負を証明するような力技の連続だった。「真っすぐが良くなかったので、変化球を多く投げた」と頭脳的な投球が主体も、勝負どころでギアを入れた。4回。セ・リーグの本塁打キングを独走するブランコのバットを、へし折った。少しシュート回転しながら胸元へ食い込んでいく、内角高め147キロ直球。豪快に詰まらせる遊ゴロに切った。捕手・鶴岡とかわしたサインは外角直球。狙いと違う、抜け気味の逆球だった。「シュート回転をすることを嫌がる人(投手)が多いですけれど、僕は何とも思わない。リリースまでにいろいろな力がかかったりするので」と言い放つ。

 前回、6日の巨人戦で自身の連勝が7でストップ。速球、直球系にこだわり5連打されたことから、変化球主体で計10三振と反省もすぐに生かした。梨田監督が「本調子でなくても(相手)打者もいろいろな物を感じているから」と、嘆息するほど圧巻の仕事ぶり。今季11試合で早くも4度目の2ケタ三振で、親友の西武涌井を抜いて両リーグトップ83個目の「K」を積み上げた。

 試合後、紗栄子夫人と応援に駆けつけた1歳の長男を笑顔で抱っこし、帰路に就いた。日本ハム、家族も支えるカッコ良すぎる“おやじ”は、最後まで力強かった。【高山通史】

 [2009年6月14日9時4分

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