<阪神4-3日本ハム>◇16日◇京セラドーム大阪

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(29)が豪快な5号ソロで4戦連続本塁打をマークした。2点を追う2回、先頭で打席に入った。ボールカウント1-2からの4球目、日本ハム先発の武田勝の120キロスライダーをたたいた。打球は京セラドーム大阪の最上席(5階相当)中段に飛び込む、特大の140メートル弾となった。

 阪神の外国人による4戦連発以上は99年ジョンソン以来10年ぶり。「今日のホームランは勝てたんでね。過去3試合より良かったよ。チームの勝利に貢献できたからね」。自らのアーチで勝利に貢献したのは5日オリックスとのデビュー戦以来だった。ファンとチームのために、サラリと大きな仕事をやってのけた。

 日本記録の7戦連発を放った神様バースの面影ともダブる。17日も1発決めれば、バースの持つ2番目の記録、5試合連続に並ぶことになる。偉大な先輩の記録を聞くと「とにかくチームが勝てばいいんだ。記録はまったく意識しないよ」と言い切った。

 体調は万全ではなかった。13日ロッテ戦(千葉マリン)で両ひざに自打球を3連発で当てた。助っ人としては異例の午後1時すぎにグラウンド入りすると、両ひざをゆっくり折り曲げ、患部の痛みを確認した。直前に痛み止めの薬を飲み、患部をテーピングしての強行出場だった。

 だが暗さはない。試合前のフリー打撃で豪快な当たりを見せた後は、梨田監督ら日本ハム勢を次々とつかまえては談笑。自打球連発の話を笑い話として言いまくった。ダルビッシュには「WBCからずっといい投球を続けているから、今後も頑張ってくれという話をしたんだ」とエールを送る余裕もあった。

 ムードメーカーとしてチームに与える影響は大きい。和田打撃コーチが言う。「ホームランでもそうじゃなくても、早いカウントからフルスイングしてくれる。いい影響をチームに与えてくれている」。この日も一塁守備で少なからず痛みがあった。「でも、もともと動きが遅いから大丈夫さ!」。この明るさも大きな魅力だ。

 [2009年6月17日11時33分

 紙面から]ソーシャルブックマーク