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ダル9勝マー君抜くも謙虚「変わらない」

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ベンチ前で中田にドリンクを渡され笑顔のダルビッシュ(撮影・黒川智章)
ベンチ前で中田にドリンクを渡され笑顔のダルビッシュ(撮影・黒川智章)

<広島1-5日本ハム>◇20日◇マツダスタジアム

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が、パ・リーグ投手部門で3冠に。20日の広島戦(マツダスタジアム)で7回を3安打1失点。変化球主体の投球で相手打線を手玉に取った。ハーラーダービー単独トップの9勝目で楽天田中を抜き、防御率も1・21とトップをキープし、奪三振もこの日の5三振で88とし、リーグ1位の涌井に並んだ。エースの好投もあり、チームは交流戦12勝10敗1分けで勝ち越しを決めた。

 礼節あふれる22歳のもう1つの面がダルビッシュの横顔にのぞいた。楽天田中を抜き去る9勝目。追いかける立場だった時は「あいつなんかすぐ簡単に抜けるんじゃないですか」などと、再三挑発してきた相手。「まだこの時期だし…。僕も大して変わらない成績なんで。(田中の前回広島戦も)勝ちに等しい投球でしたからね。ちょっとだけテレビで見ていましたから」と敬ってみせた。

 謙虚な一言、一言に表れた心の成長曲線は、投球内容にも凝縮されていた。1点リードの4回。先頭打者の梵に二塁打を浴びた。3回まで完全投球での初安打。犠打で三塁まで進められ、2死三塁で、WBCでチームメートの栗原。初球、シュート回転して真ん中に入った148キロ速球だった。中堅フェンス直撃の同点二塁打。気持ちが乱れても、おかしくない場面だった。「ホンマはホームラン2本だったのが、1点ですんだ。あの時だけは力で抑えてやろうと思ってしまった。今年はそれがないのが、いいところだったんで。開き直ったら、気持ちの面で優位に立てた」と自ら分析する。7回には栗原にまたもジャストミートされた打球を右ひざ上部に受けた。その回を投げ切って降板し、笑みさえ見せる余裕があった。

 打席に立てる交流戦での目標の1つは、プロ初本塁打。いまだ今季0本で、専属女房役の鶴岡がターゲットだった。開幕前、周囲へは「絶対にツルさんより、先に1本打つ」とジョーク交じりに宣言。長距離打者用のバットで、練習に励んできた。最終登板のこの日は2打数無安打で、かなわなかったがフルスイング。勝てばチームの交流戦勝ち越しが決まる大事な一戦を、ひそかに楽しんでいた。

 真剣勝負の中でのそんな“遊び”が、投球術の幅の広がりにつながっている。「次はシーズンの一番初めの試合だと思って投げますよ」。成績でも、マウンドからも見下ろしても、瞬間、瞬間での目線はフラット。エースの使命を果たし続ける、今のダルビッシュの真の強みだ。【高山通史】

 [2009年6月21日9時32分 紙面から]


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