<巨人1-6ヤクルト>◇27日◇東京ドーム

 巨人は「ヤクルトキラー」のセス・グライシンガー(33)がKOされ、ゲーム差を再び2とされた。古巣相手に7勝0敗、防御率1・46と強さを誇った右腕が、痛恨のボークを犯し、リズムをつかめなかった。

 2回2死二、三塁で打者は由規だった。カウント2-2からチェンジアップで空振り三振、ピンチ脱出かと思われた。だが実は5球目がボーク。ベンチに引き揚げる寸前に渡田三塁審判のボーク宣告に気づき、原監督も確認のためベンチを出たが、判定は変わらず痛い先制点を許してしまった。「ボークは生涯初めて(ヤクルト時代の07年に1度記録)。何が起こったか分からなかった。戸惑いはあったが切り替えた」と話したが、精密機械の異名を持つ助っ人の歯車が狂った。

 すべての球種が高めに浮いた。ゴロでアウトを稼ぐのが持ち味だが、打者27人に対し外野飛球が12。「低めに修正できなかった。調子は悪くなかったが」と首をかしげた。痛恨だったのは李承■のソロで1-3とした直後の6回だ。相川に高め直球を右翼席に運ばれ再び3点リードを許した。ヤクルト戦初の被本塁打は、由規の投球内容からしてダメ押しに等しかった。

 原監督も「4点目が重い点になった。注文をつけるなら、あの1点が。いかんせん、あの1点が」と6回の本塁打を敗因に挙げた。首位攻防初戦は完勝したものの、この日は完敗と互角。28日の第3ラウンドで再び突き放す。【宮下敬至】※■は火へんに華

 [2009年6月28日9時27分

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