<巨人7-1ヤクルト>◇28日◇東京ドーム

 首位の巨人がヤクルトとの首位攻防3連戦を2勝1敗と勝ち越し、3ゲーム差に広げた。1勝1敗で迎えた第3戦で、先発の内海哲也投手(27)が9回を4安打1失点。今季初の2ケタ10奪三振、無四球の好投で今季3勝目を挙げた。昨年6月16日楽天戦以来の完投勝利で完全復活。ヤクルト石川雅規投手(29)との左腕エース対決を制し勝利の立役者となった。

 内海は生命線である内角速球に威力があった。象徴的だったのは6回2死、カウント2-2から田中に投じた7球目だった。内角への141キロ直球で見逃し三振を奪った。「真っすぐが走っていました。三振で乗っていけたし、無四球にもつながった」と振り返った。

 復活のヒントは恩師の言葉に隠されていた。5月5日に不調から出場選手登録を抹消され、2軍で再調整した。苦しむ内海に、小谷2軍投手コーチが「マウンドからミットまで、トイレットペーパー(1本の線)が引かれていると思って投げてみなさい」とアドバイス。まさに田中へのボールは、その言葉を体現したものだった。

 07年に奪三振王を獲得した姿がよみがえった。今季は12試合に登板し、最多三振は7だった。それがこの日はフォームに本来のタメができ、2回には3者連続三振など10奪三振。スライダーで4奪三振はキレも戻った証しだった。2回の2球目の投球の際、左手親指外側に人さし指のツメが当たって裂傷を負ったが、まったく問題ない投球だった。今年は都内の施設などに、「三振1個につき1個のランドセルを贈る」三振基金を設けている。それだけに「10個も取れてうれしい」とはにかんだ。

 志願の完投だった。8回表終了後、原監督の「どうだ」の問いに、「全然大丈夫です」と即答した。最後の打者青木を遊ゴロに仕留めると、両手でガッツポーズをつくった。相川の本塁打で1点を失ったが「まさか完投できると思っていなかった。願わくば完封を狙っていたんですが」と苦笑いした。原監督は「球種を絞らせず安定感があった。評価せざるを得ない内容だよね」と褒めちぎった。

 お立ち台では「これから10連勝します」と思わず叫んだほど、久々の快感に酔っていた。ベンチ裏で「気分良すぎて言ったんで。1つ1つです」と連勝宣言は撤回したが、「いつかこういう日がくると思ってやってきてよかった」と完全復活を印象づけた。首位攻防3連戦に勝ち越し、ゲーム差を3に広げた。7連勝で乗り込んできたヤクルトをグッとのんで、首位の座をガッチリと守った。【久保賢吾】

 [2009年6月29日8時10分

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