<日本ハム10-5楽天>◇1日◇札幌ドーム

 日本ハム武田勝投手(30)が、チームを再び単独首位に押し上げた。楽天戦に先発し、7回を4安打、1失点、6三振で6月7日ヤクルト戦以来の4勝目を挙げた。同16日の阪神戦は3回4失点、同21日の広島戦は中継ぎ登板で2失点するなど、不本意な投球が続いたが、首位争いの大事なゲームで復活をアピールした。ソフトバンクは降雨で試合中止となったため、0・5ゲーム差で単独首位に立った。2カード連続の勝ち越しを決め、貯金は今季最多の13に伸びた。

 自分探しの93球だった。軟投派の武田勝が、力で押した。7回までいつも通り、緩急をつけながらも押し切った。中継ぎ1試合を挟み、登板3試合ぶりの今季4勝目。チームに今季最多の13の貯金をもたらす、大仕事を完遂した。お立ち台で大きく息をついた。「ホッとしてます。それだけです」。いつものポーカーフェースだったが、声は少しうわずっていた。

 自信を取り戻した。初回。打者4人、初球はすべて直球だった。いずれも130キロ台前半。憲史にその132キロを二塁内野安打されたが、完ぺきに詰まらせた。「基本に戻って腕を振る。チェンジアップを使わずに攻めようと思った」。持ち前のキレで勝負。序盤3回までは直球主体の組み立て。鶴岡の強気のリードにも乗せられ、闘争本能、投球感覚がよみがえった。

 交流戦は5試合で1勝3敗。6月21日広島戦での中継ぎ敗戦から、中9日での登板だった。その間、自分を見つめ直すカンフル剤を打った。ブルペン入りした時に1度、100球前後、すべて直球で調整。「キレとコントロールというスタイルの投手。ストレートが落ちてくると、固め打ちとか、止まらなくなってくる」。冷静に自己分析した上でプロ入り後に編み出した年に数度しか行わない、特別メニューを課した。

 手探りだった新フォームにも、光が見えた。走者を二塁に置いた時、投球動作時にグラブ内のボールの握りが見え、球種が知られてしまっていた。6月16日阪神戦では1イニングで2度の三盗を喫したが、いずれもチェンジアップ。この日は、グラブへ腕を入れる角度を微調整し、握りを隠した。左腕を大きく上げる独特のモーションでは盗塁されやすいため、セットポジションでグラブを静止させる腕の位置を高くした。リリースまでの時間を短縮する工夫もし、復活をかけてマウンドに臨んでいた。

 全力投球するうちに、戻ってきた感覚がこの日、本物であることを結果で証明した。「今日のマサルは非常に出来が良かった」。梨田監督も手放しで褒める、完全復活の兆しだった。10勝でハーラートップを走るダルビッシュ、無傷の6連勝中の八木が好調。昨季まで3年で先発、中継ぎで22勝を挙げている、実績十分の3本目の柱が、見えてきた。「これを機会に1試合1試合を大事に投げていきたい」。2年ぶりのV奪回へ欠かせない、左腕エースが帰ってきた。【高山通史】

 [2009年7月2日10時28分

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