<中日3-4阪神>◇2日◇ナゴヤドーム
ありがとう!
神様仏様ブラゼル様!
阪神が劇的な逆転勝利を飾った。拙攻続きで敗色濃厚の中、8回に助っ人クレイグ・ブラゼル内野手(29)が左中間へ逆転の2点二塁打を放った。ブラ砲は7回にも追撃の6号ソロを記録するなど3打点を挙げる神懸かり的な活躍。負ければ今季ワーストの借金11、クライマックスシリーズ(CS)圏内の3位中日と10ゲーム差に広がる瀬戸際だった。8連勝中の強竜をたたいた虎よ、今度こそ真の反攻を頼む!
あなたこそ真の救世主です。一時期、小休止に見えたブラゼルが再び目を覚ました。中日ブランコに負けないド迫力パワーで勝利に導いた。ベンチ前で藤川と抱きつき、金本が固い握手を求めてきた。3試合ぶりの大きな勝利を誰もがかみしめた。だが、平静を装いながら最も興奮していたのは、この男だった。
ブラゼル
最高の気持ちだった。二塁まで行く間に気を失うぐらいに興奮したよ!
今季2度目の同一カード3連敗の危機が迫っていた。必死だった。1点を追う8回2死一、三塁から中日4番手浅尾の初球を狙い打った。外角高め149キロ直球を力ではじき返した。打球は左翼フェンスを直撃する逆転の2点二塁打。二塁ベースに到達するまで心臓が高鳴り続けた。
2点を追う6回には9試合ぶりとなる追撃の6号ソロ。カウント2-1。追い込まれてから見逃せば完全にボールの朝倉の低めフォークをすくい上げた。打球は右翼スタンドへ。狙っていたのは1発ではない。この回、先頭での打席。「とにかく塁に出られればと思っていた」とフォア・ザ・チームを強調した。
自分さえ打てば…。助っ人にありがちな姿は微じんもない。追い込まれれば、バットのグリップを短く持ちかえる。驚く岡野手チーフコーチに真顔で答えた。「9歳の時に父に教えてもらった当たり前のことだよ」。大リーグのタイガース傘下のマイナーで監督を務めたこともあるテッド氏(57)から教わったチームプレーの精神は体の芯まで染みついていた。
ブラゼル
チームの雰囲気は悪くない。みんな全力でプレーしている。状況は良くないかもしれないが、一生懸命やっていれば必ずいい方向に向いてくると思ってやっているんだ。
趣味は魚釣りというアウトドア派。落ち込みがちな精神状態でも気分転換は忘れなかった。名古屋遠征中、毎日のように宿舎近くの米国レストラン「ハードロックカフェ」に赴いた。ロックを聴きながらカフェタイム。外でのオン、オフの切り替えのうまさがここ一番の集中力につながった。
「みんなあきらめていないんだ!」。「ありがとう」と絶叫する虎党にネバーギブアップを約束した。自身5試合ぶりの打点でチームの借金は9に減った。CS圏内の3位中日とは8ゲーム差に寄り戻した。まだ夢や希望は捨てていない。大和魂も持ち合わせている虎のブラ砲が、再び反攻の使者に名乗りを上げた。
[2009年7月3日11時33分
紙面から]ソーシャルブックマーク



