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由規成長の156キロ!甲子園初登板初勝利

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2回裏阪神無死、葛城(左)の遊ゴロに飛びつく由規(撮影・上田博志)
2回裏阪神無死、葛城(左)の遊ゴロに飛びつく由規(撮影・上田博志)

<阪神3-6ヤクルト>◇4日◇甲子園

 由規が甲子園凱旋(がいせん)白星を飾った。ヤクルト由規投手(19)が阪神9回戦に先発し、7回6安打3失点で5勝目を挙げた。2年前の夏の全国高校野球で歴代最速となる155キロを計測した思い出の地でのプロ初登板で、勝利投手となった。5回には156キロをマークし、数字でも成長を証明した。チームの連敗を4で止め、首位巨人との差を再び4・5ゲームに縮めた。

 約2年ぶりに帰ってきた“聖地”で、由規が大人になった姿を見せた。5回。関本への3球目に、宮城・仙台育英高3年時に出場した全国高校野球選手権(07年8月15日、智弁学園戦)で計測した球速を1キロ上回る156キロを記録。自己最速には1キロ及ばなかったものの白星もつかみ「楽しみにしてきたので、うれしかった」と、これ以上ない凱旋に笑みがはじけた。

 気迫の中にも冷静さがあった。2点リードの3回。2死三塁から連続四球で満塁とすると、打席にはブラゼル。1発出れば逆転される場面ながら、落ち着いていた。変化球2球で簡単に追い込むと、直後に間を取って相手に考える時間をつくった。迷った主砲に外角高めへボールになる直球を振らせて三振。ピンチを切り抜けると、左手のグラブをグッと突き出すこん身のガッツポーズも見せた。

 6回に、150キロ直球を金本へ右越え特大2ランを浴びて、一時は1点差まで詰め寄られた。それでも後続をしっかり抑え、荒木投手コーチも「本塁打の後に粘れたし、精神的な成長を感じる。うれしくなるね」と大絶賛。高田監督も「チームにとってありがたいね」と、成長を続ける孝行息子を笑顔でたたえた。2年前、2四死球から崩れて智弁学園に敗れた“泣き虫王子”は卒業した。

 由規は甲子園の思い出について「自由時間にUFOキャッチャー(クレーンゲーム機)で段ボール3箱分のぬいぐるみを取って、わざわざ実家に送ったんです」と無邪気に笑った。大観衆の中で投げた高校時代もフラッシュバックし「ビジョンの満員御礼というのを見て、うれしくなりました」。大人の投球をする半面、10代の若者らしい純粋な一面ものぞかせた。

 デーゲームで3位中日が勝っていたため、連敗が伸びれば1ゲーム差へ迫られていた。由規が前回勝って以降続いていた連敗を、自身の手で止めた。さまざまな思いの中で上がったマウンドで、成長した姿を見せて「ほっとしました」と、安堵(あんど)の笑みを浮かべながら甲子園を後にした。【松本俊】

 [2009年7月5日9時9分 紙面から]


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