<ロッテ1-5日本ハム>◇28日◇千葉マリン
日本ハムが今季最多の6連勝で首位をがっちりキープした。ロッテ戦で梨田昌孝監督(55)の積極采配が、実を結んだ。7回無死一、二塁でここまで無失点と好投していた八木を思い切って交代。菊地、宮西、建山を惜しげもなく次々とマウンドに送り込み、3人で3つのアウトを取る「1人1殺リレー」でピンチを防いだ。これで対ロッテ7連勝、通算13勝2敗で早くも今季の勝ち越しが決定。後半戦初戦でお得意さまから確実に勝ち星を重ね、2位ソフトバンクとのゲーム差を2に広げた。
豪快な一手の3連発で、ボビー・マジックを不発に終わらせた。梨田監督の大胆タクトが、白星へと向かう流れを決めた。初回に奪った3点のリードを保ってはいたが、こうちゃく状態の7回。先発八木が安打と四球で無死一、二塁のピンチを招くと、あっさりマウンドから降ろした。そこまでわずか3安打。ロッテ打線を完全に抑え込んだ左腕から菊地へスイッチした。
ベンチワークの応酬の始まりだった。梨田監督は「先に、先に動いていかないとね」と流れの悪い局面を、強引に引き戻しにいった。菊地が、里崎を切ると、バレンタイン監督が左の代打の切り札・橋本将を告げた。確認して、左腕の宮西を投入。代打の代打でベニーを送り込まれたが、もう動かない。宮西が空振り三振。続いて代打・今江が起用されると、それを確認して建山へと交代。またも代打の代打バーナムJr.を空振り三振と、鮮やかに「1人1殺」の継投が決まった。
積極采配で、左右の橋本将、今江の代打の切り札を打席にも立たせず、ベンチへ戻した。福良ヘッド兼打撃コーチは「2人を殺したのが大きかった」と終盤での勝負手を消耗させた。結果的に“3人5殺”という絶妙の継投になった。3人とも意図をくんでいた。菊地は「流れを止めるのが僕の仕事」。宮西も「ベニーは想定していた」とベンチとの相互理解があったからこそ、はまった。「1人で大仕事ができないチーム。みんな『1人1殺』と思ってやっている」。中継ぎのまとめ役、ベテラン建山は涼しげに振り返った。
勝負の夏、後半戦の初戦。みなぎる精力が、聡明(そうめい)な判断力を生み出す原動力の1つだ。開幕後から、試合前の練習中にはピンク色をしたペットボトル入りのドリンクを手放さなくなった。その中身は、中国などで生薬として知られる「冬虫夏草」のエキスが含まれたもの。福良コーチも「監督が体にいいって言うから」とともに愛飲している。選手同様に、体が資本の監督稼業をまっとうするため、日常生活にも注意を払ってきた。
球宴休みを挟んで、今季初の6連勝。敗れた2位ソフトバンクを2差へと突き放し、首位固めに入った。リーグ最速、節目の50勝へ王手をかける1勝にも、手綱は緩めない。「6つ勝つということは、6つ負ける可能性があるということ。また明日、1戦1戦やっていく」。梨田監督は、前を見据えたが、ふと本音を漏らした。「あ~、しんどい」。全力投球の神経戦をもぎ取った2年ぶりV奪回への再スタートの第1歩は、力強かった。【高山通史】
[2009年7月29日11時1分
紙面から]ソーシャルブックマーク



