＜巨人３－５中日＞◇３０日◇東京ドーム

　これまで何度も巨人の危機を救ってきた越智大祐投手（２６）が、また打たれた。６回、先発東野が無死から２ランを浴び２－３と逆転された直後に２番手として登板。チームに流れを引き寄せる快投を期待された右腕は、逆に相手の勢いにのみ込まれた。２死から井端、荒木に連続四球を与えると、森野、ブランコに連続適時打を浴びリードは３点に広がった。盤石の継投を誇る中日相手には致命的な失点だった。

　離脱した守護神クルーンの代役を務めるなど前半戦首位独走の原動力となった男が、もがき苦しんでいる。最近４試合で７失点の越智は「ブルペンの調子自体は変わらなく普段通り準備できたんですけど…。良い時もあれば悪い時もある。早く良い時の状態を取り戻さないといけません」と復調を誓った。原監督は「良い時の状態は分かっているわけですから、またここから修正していけばいいと思う」と変わらぬ信頼を口にしたものの、表情は険しかった。

　越智だけではない。この日は投手陣全体がピリッとしなかった。４投手の合計与四死球は今季ワーストの１１個。原監督は逆転弾を浴びて降板した東野に「これだけ経験を積ませたんだから、そろそろ“砂遊び”は卒業しないといけないね」と厳しかった。ボール先行で球数がかさみ、スタミナを消耗した終盤に痛打を浴びる。同じＶＴＲを見ているかのようなパターンを繰り返す東野は「先制してもらった直後に点を取られては…。悔しいです」と肩を落とした。

　後半戦最初のヤマ場、２位中日との３連戦を負け越し、再び１・５ゲーム差に迫られた。原監督は「紙一重のところで１勝２敗という結果になったが、まだまだこれから。１戦１戦、集中して戦っていく」と、表情を引き締めた。今は我慢の時期。“紙一重”の戦いはしばらく続きそうだ。【広瀬雷太】

　［2009年7月31日9時18分

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