<ヤクルト4-2中日>◇1日◇神宮

 ヤクルトが、8回のジェイミー・デントナ内野手(27)の決勝右越え2ランで競り勝ち、2位中日とのゲーム差を1に縮めた。高田繁監督(64)は「最高の展開でしたね。8月が本当の勝負ですから」と、クライマックスシリーズ進出へ正念場ととらえる勝負の月の白星発進に自然と笑みもこぼれた。

 1-2と勝ち越された直後の8回裏だった。青木の左越え二塁打を皮切りに、福地の内野ゴロで同点に追い付いた。さらに1死二塁の場面で「湿度も低いし日本の夏は過ごしやすい」とご機嫌の主砲が「早いカウントから行こうと思っていた」と、中日浅尾の初球149キロ直球を右翼席へ運んだ。

 あきらめない姿勢が大きな1勝を引き寄せた形だ。8回表1死から中日荒木に勝ち越し本塁打されたが、続く森野のセンターへ抜けようかという強烈な打球を二塁手の田中が横っ跳びで好捕。前日7月31日もファインプレーで白星に貢献した田中に、殊勲打のデントナも「いい守備がチームをもり立ててくれたのが勝利の要因」とポイントに挙げたほど。

 また、先発のユウキが立ち上がりから快調に飛ばす中、想定外のアクシデントもあった。5回2死走者なしから、8番谷繁に対して直球のすっぽ抜けが頭部死球となり、危険球退場となった。高田監督も「今までで1番ボールがキレてた。退場はもったいなかったけど…」と残念がったが、2番手萩原以降の中継ぎ陣が懸命にしのいだ。

 これで中日戦は4連勝となり、対戦成績も11勝3敗と大きく勝ち越し。9月後半までの毎週末で上位争いを展開する中日と巨人戦が続くが、同監督は「ユウキをはじめ先発陣に兆しも見えてきたし、何とか行けるんじゃないですか?」とニンマリ。相性の良さも手伝って、8月攻勢に最高のスタートを切った。【松本俊】

 [2009年8月2日9時37分

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