<巨人3-3広島>◇5日◇札幌ドーム

 まさに起死回生の同点弾だった。1点を勝ち越されて迎えた12回。巨人鈴木尚広外野手(31)が内角高めのスライダーを思い切り振り抜くと、打球は札幌の巨人ファンで埋まる右翼席で弾んだ。これが今季1号。ベンチに戻ると、驚きのあまり目を大きく見開いた原監督や、チームメートに手荒い祝福を受けた。

 誰よりも、打った本人が驚いていた。チームの窮地を救った鈴木は「自分が一番びっくりしてます。練習でもあんなホームランは打ったことありませんから。とにかく甘い球は絶対に逃さないようにしようと思っていた」と、顔をクシャクシャにして喜んだ。

 夏場の恒例「北海道シリーズ」は2日連続で敗色濃厚の展開から盛り返した。前日は亀井の同点&サヨナラ弾で逆転勝ち。この日も1点を追う7回に代打木村拓が地面スレスレのボール球をゴルフのようなスイングでとらえる“神業タイムリー”で同点。延長12回にクルーンが痛恨の暴投で勝ち越し点を許したが、驚異の粘りで引き分けに持ち込んだ。ベンチ入りの野手16人全員を使った総力戦で、後半戦3カード目にして初の勝ち越しも決めた。

 しかし、劇的ドローに喜んでばかりもいられない。この日も勝った2位中日が1ゲーム差に迫ってきた。「投手があれだけ踏ん張ったわけだから、打線には反省すべきところがある。また明後日から切り替えて戦っていく」。帰りのバスに乗り込む原監督の視線は、すでに次なる戦いに向けられていた。【広瀬雷太】

 [2009年8月6日8時26分

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