<広島7-6ヤクルト>◇27日◇マツダスタジアム

 これもブラウンマジック?

 広島が6点差をひっくり返す劇的勝利を飾った。7回1死一塁、ハーフスイングを取られたことに激高した広島スコット・マクレーン内野手(37)が審判侮辱で退場となると、マーティー・ブラウン監督(46)が、牧田球審に向かって一直線に走り寄った。鬼のような形相で詰め寄って、叫んだ。自らも侮辱発言で退場を宣告されると、さらにヒートアップ。履いていたシューズを脱ぎ、ホームベース付近の球審の立つ位置に両方そろえておいて、その上に自分の帽子を添えた。

 代行を務めたリブジーコーチによると「(判定がこんななら、靴と帽子のほうが)いい仕事ができるよ」という皮肉たっぷりのパフォーマンスだった。スタンドの観客も大喜びだ。

 ナインもこのパフォーマンスに燃えた。マクレーンの代わりに打席に入った石井が安打でつなぎ、暴投で二、三塁とチャンスを広げると、広瀬が同点の二塁打。さらに小窪が勝ち越し適時打を放って、ついに6点差をひっくり返した。リブジーコーチは「監督の退場で一気にボルテージが上がったね」と笑った。

 ブラウン監督の退場は、これが今季2度目で通算8度目。監督としては、通算7度で並んでいた藤本定義監督を抜いて、歴代単独1位となった。わずか4年間で8度の退場、さらに退場した試合は通算7勝1敗と圧倒的に強い。“伝家の宝刀”で、CS進出に最後の望みをかけた3連戦に勝ち越した。【高垣

 誠】

 [2009年8月28日11時7分

 紙面から]ソーシャルブックマーク