<阪神3-1巨人>◇30日◇甲子園

 指揮官の直感が、初の月間勝ち越しを呼んだ。同点で迎えた5回裏2死一塁。カウント2-2からの6球目に、阪神真弓明信監督(56)が動いた。一塁走者の平野に盗塁のサイン。これが決まって、金本の決勝タイムリーにつながった。「ゲームが動いていなかった。走らせて、動かそうと思った」。均衡した試合展開に、一気に引き寄せるタクト。就任以来、目指してきた走る野球が、猛反撃の原動力になっている。「最近のタイガースの攻撃は足を絡めたほうが、点が入りやすい」と手応えを隠さなかった。

 この日の勝利は疑いようもなく大きい。岡田政権の昨年8月から月間で勝ち越せなかった。逆転優勝を許した巨人を相手に、負の連鎖を打ち破った。「オールスターが明けてから、チーム状態がよくなっている。攻撃的な気持ちが表に出てきたかな」。守備面でも、投手起用がピタリとはまる場面が多くなってきた。

 真弓阪神がたくましさを増し、競り合いにも強い。「1点でも少なく守り抜く。チームが目指してきたことができてきた」。最高のムードで、3位ヤクルトを迎えることになった。

 [2009年8月31日10時56分

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