<オリックス1-4日本ハム>◇19日◇京セラドーム大阪

 2度目の挑戦が、白星へつながった。糸数敬作投手(24)が、日本ハム投手陣の救世主になった。奮闘むなしく黒星を喫した6月2日広島戦以来、プロ2度目の完投で3勝目を挙げた。プロ入り3年目で初の完投勝利。「1イニング、1イニングをしっかり投げようと思っていた」。無欲の131球で登板過多の中継ぎ陣を救い、9連戦のローテーションの谷間を完ぺきに埋めた。

 強気に攻めた。3回に先制点を失ったが最少1失点でしのぎ、チャンスをつないだ。この日の投球を象徴したのが5回のローズ。フルカウントから裏をかき、内角低め速球で見逃し三振に切った。今季、チームで9被弾の難敵を「真っすぐが良かった」と力勝負で仕留め、波に乗った。梨田監督が「自信に満ちあふれていた。この勝ちは大きいね」と、うなる内容と結果だった。

 今月1日ロッテ戦で4回6失点KO、翌日に2軍降格した。その間、食あたりとみられる下痢が襲った。明希乃夫人と外食したラーメンの具のメンマが原因のよう。糸数は「嫁は変な味がしたとよけていたけれど、自分は気付かずに食べてしまって」と不注意を反省した。2軍調整中に実戦マウンドは1度だけ。逆に開き直りが、この日は生きた。20日にチーム事情で出場選手登録を抹消される。終盤の勝負どころを任されるパスポートの快投を手に、再び出番を待つ。

 [2009年9月20日10時35分

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