<巨人5-3中日>◇23日◇東京ドーム
ラミちゃんのバットがV3を呼び込んだ。巨人アレックス・ラミレス外野手(34)が1点リードの4回、区切りの30号ソロを放った。1点差に詰め寄られた7回には、右前適時打で貴重な追加点を挙げた。チームでただ1人、全試合に先発し、4番を打ち続けた。優勝を決めた大一番でも、巨人軍第74代4番打者の力を見せた。
もう、待ち切れなかった。2点リードの9回、アウトカウントが2つとなって、ラミレスはベンチから大きな体を前に乗り出した。ニコニコ顔を隠さない。最後の打球がライナーで三塁古城のグラブに収まると、右手を突き上げマウンドに駆けた。「格別だよ!」。巨人に移籍して2年連続でリーグを制し、敬愛する原監督を太い腕で宙に浮かせた。
逆転Vという中日のかすかな望みを、ふた振りで砕いた。1-0の4回、先頭打者で山井から30号ソロ。前の打席で打ち取られたカーブを豪快にバックスクリーン左横に打ち込んだ。1点差に詰められた7回2死一、三塁では、浅尾から右前適時打。終盤でリードを広げ「引っ張らず、走者をかえそうと。ホームランより価値があったと思う」。走りながら一塁手前でガッツポーズ。さらに一塁を少し回り、もう1度拳を握った。優勝を確信し興奮した。
4番の立場から、チームの強さを感じていた。「巨人は個々の選手が役割を果たしているから強い。強力な中継ぎがいて、それを引っ張る阿部のリードも忘れちゃいけない」。この日も打線がリードを奪い、盤石な継投で逃げ切った。チーム全員が結束してこそ発揮される力。ラミレスには、それを伝えたい人がいる。
「僕は試合中、チームメートと仲良くコミュニケーションを取る。それを見た息子に、野球では何が大切か分かって欲しい」。17日まで母国ベネズエラから息子アレクサンダーくんが来日。投手で、プロを目指す愛息に「チームメートの話をよく聞きなさい」と諭していた。実は、この日はアレクサンダーくんの16歳の誕生日。日本を離れる息子と約束した優勝を遂げた。
いつか監督になりたいと公言する。「息子が僕のチームでプレーしてくれたら。それが僕の夢」。その夢の前に、果たすべき目標がある。胴上げ後の勝利監督インタビュー。一塁側ベンチ前のついたてに腰掛け、原監督の言葉に耳を傾けた。「先にまだゴールがあることを代弁してくれた」。昨季は達せなかった日本一という頂。勝利の余韻にひたりながらも一瞬、勝負師の顔に戻った。【古川真弥】
[2009年9月24日8時14分
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