<日本ハム4-2ソフトバンク>◇4日◇札幌ドーム

 2年ぶりパ・リーグ制覇へ、王手をかけた。日本ハムが、4日のソフトバンク戦で競り勝ち、優勝マジックを「1」とした。1点を追う4回に今季を象徴する、つなぎ重視の打線が機能。ソフトバンク大隣の乱調を突き、押し出しで同点とし、2本の適時打で一挙4点を奪い突き放した。梨田昌孝監督(56)の試合終盤での継投策も的中し、逆転勝ちで連勝。今日5日西武戦での本拠地の札幌ドームで、歓喜のゴールへ飛び込む。

 歓喜の終点が、ようやく見えた。梨田監督の視界へ、確実に入った。選手個々がそれぞれの役割に徹し、軽妙なタクトで局面を動かした。快勝し、楽天が敗れて優勝マジックは残すは「1」になった。約1カ月。8月28日に「29」を点灯させてから、長い苦闘の日々に別れを告げる日が、目前に迫った。

 梨田監督

 まだあまりピンとこない。(マジックを)ゼロにするのが目標であってね…。早くゼロにしたいね。

 身を削りながら、1日1日を突き進んできた。8月中旬からのインフルエンザ禍。終盤でエースのダルビッシュが2度、戦列から離れた。この日も含め、成長株の糸井が3試合連続欠場。理想の布陣が組めない中で、最後のよりどころが自分の手腕だった。4回に3点を勝ち越したが、そのイニング以外は無得点。「もう1、2点は取らなくちゃいけなかった」という展開を、積極的に打破していった。

 限界の心身にムチを入れ、目指してきた到達点を近づけた。8月下旬からのシーズン佳境。選手らと一緒の飛行機、新幹線、バス移動の際に仮眠するようになったという。チーム全体の士気に影響があるような行動を、選手らの前では慎んでいるが、体の欲求に勝てなくなるほどの状況が、ここまでの激闘を物語っていた。チーム関係者が「今までは絶対になかった。相当、疲れている」と言うほど。この日も「酒は飲めているからね。昼(食)は食べないようにしている」と弱音は一切吐かなかったが、激闘の傷跡は明らかだった。

 この日は継投策で、最後の力を振り絞った。1点を奪われ、2点差とされた7回2死三塁で江尻を投入。好投の武田勝に見切りをつけ、傾きかけた流れを分断。8回を3投手、最後は2死一塁から、これまで主に敗戦処理的な役割だった金森を4番手に抜てき、無失点でしのいだ。「この前もいい投球をしていたからね」。9回は武田久で締めた。右打者には右腕、左打者には左腕、そして最後は守護神という大胆かつ定石通りのリレーを展開した。

 繰り出した一手、一手で、ソフトバンクの反撃の芽を摘んだ。自力でチーム2年ぶりのV奪還、自身にとって近鉄監督時代の01年以来、8年ぶりの頂点まで、あと1歩まできた。楽天との開幕3連敗からスタートした本拠地で、1年間を飾る舞台が整った。まず5日、本拠地胴上げのチャンスに臨む。「明日、そうなったらいいね」。梨田監督が、秋の北海道で舞う。【高山通史】

 [2009年10月5日10時11分

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