<広島1-5阪神>◇7日◇マツダスタジアム

 無駄のない回転で打った。鳥谷敬内野手(28)は、2点リードの9回1死一塁で大島が投じた5球目の内角球をたたいた。低い弾道は大型台風に伴う雨を切り裂いて、右翼ポール際へ吸い込まれた。勝利を決定づける20号2ランをぶちかました。

 技術でたたき込んだ1発だったが、帰りの通路では「いやあ、足が痛くて…。余計な力が入らなくてよかった。上半身に力が入らないのがよかったのかもしれない」と照れ笑いした。

 プロ6年目で初の20号到達は、けがの功名だった。この打席は3球目に自打球を右足に当てていた。思わず顔をしかめた。その痛みに耐えて、9月19日広島戦以来13試合ぶりの1発。和田打撃コーチは「3-1のままでは嫌な感じだった。20号は彼の中ではマックスの数字だしね」と鳥谷の1発をほめた。

 今季はこれで金本と鳥谷が20号に到達した。左打者に不利な浜風が吹く、広い甲子園をホームにする阪神で、左打者2人が同時に20号を放ったのは、掛布&バース以来となった。真弓監督が就任当初から「20本台は打てる」と期待し続けたニューリーダーが、142試合目で節目弾を決めた。

 ただ鳥谷は「僕はホームランバッターじゃないです」が口癖。この日の記念弾にも「こだわりはないですよ。そこには」と受け流した。見据える先はすでに決まっている。8日からのヤクルトとの最終決戦。「勝てるように頑張るだけです」と短い言葉に決意を込めた。

 [2009年10月8日12時2分

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