金本7回2死満塁まさかの捕邪飛
<ヤクルト3-1阪神>◇9日◇神宮
最高潮だったボルテージは、わずか1球でしぼんだ。1点差に詰め寄った7回2死満塁で阪神金本知憲外野手(41)がバットを握った。数々の修羅場をくぐり、抜群の勝負強さを誇った不動の4番に、逆転への期待が高まる。しかし石川が投じた初球の外角高めスライダーに手を出した。神宮の夜空に高々と舞い上がった絶望的な捕邪飛。金本は、打球の行方を見上げた。そして捕手川本のミットに収まるとギュッとしわを寄せて両目をつぶった。
最終決戦でブレーキになった。1点差の3回2死二塁と合わせて2度の同点チャンスで凡退。石川の前に4打数ノーヒットだった。最後の打者となった鳥谷の中飛は、次打者席で見つめた。和田打撃コーチは「7回のチャンスもそうだけど、前半のところで何度かチャンスがあった」と言った。ただヤクルトとの神宮決戦は2試合で8打数1安打0打点と抑えられた形だ。
2年連続の左ひざ手術を行ってプロ18年目を迎えた。体を鍛える前にリハビリに時間を費やした。自主トレの拠点である広島市内のジム「アスリート」の平岡代表は「ここ2年はリハビリもあって、下半身のトレーニングが十分にできていない」と不安視していた。
予想は的中して、3月には右足内転筋を痛めた。それでもぶっつけ本番となった4月の開幕から1カ月、大爆発。2試合で3打席連続本塁打を放つなど神がかり的な活躍だった。ただ慢性化した右足の痛みを抱えて、万全の状態でグラウンドに立つことはできなかった。9月には阪神移籍後最長となる25打席連続ノーヒットなど、好不調の波を抱えたまま、終戦した。
金本は今季、報道陣の質問に対して無言を貫いてきた。そしてシーズン最終戦となったこの日も問いかけに応じないで選手バスに乗り込んだ。打率2割6分1厘は03年の阪神移籍後ワースト。和田打撃コーチは「今年は1年間を通じて苦しんだ。それは中軸だけではない」と言った。昨年12月の契約更改で「関西を真っ黄っ黄にしたい」と日本一への意欲を語った金本。例年より長くなったオフ期間中に体をメンテナンスして、2010年に巻き返すことになる。
[2009年10月10日11時33分 紙面から]
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