日本ハムが、中田翔内野手(20)の外野手転向を検討していることが12日、明らかになった。2年目の今季は2軍戦などで一塁手として出場してきたが、来季の1軍起用の可能性を広げるためのプランとして浮上。今月下旬から予定している秋季キャンプ(沖縄・国頭村)で挑戦させる考えで、3年目の飛躍を目指す。

 1軍がCS第2ステージを目前に控えた中で、来季構想を着々と練っていた。中田をレギュラーへ定着させるための試験的運用策を、水面下で温めていた。福良ヘッド兼打撃コーチはこの日までに「(秋季キャンプで)外野をやっておいて損はない。高校の時にやっておいたところやからね」と明かした。大阪桐蔭時代に経験があることも、本格検討の材料になった。

 リーグ連覇を目指す、来季の新チーム構想の目玉だ。中田は今季、イースタン・リーグで同リーグ新の30本塁打、同タイ記録の95打点をマーク。打撃は1軍レベルに近づいたと、梨田監督らも判断している。今季の一塁手は本来は捕手の高橋だが、4番を務めチームトップの打率3割9厘。現状では出場機会が指名打者などを含め限定されそうで、新たな道を模索することになった。

 脚力などを加味して左翼手として、適性を判断することになりそう。1軍外野陣は稲葉、糸井、森本ら12球団トップクラスの質の高さ、層の厚さを誇る。さらに今季途中で遊撃手から転向した陽も虎視眈々(たんたん)とレギュラーの座を狙っている。激戦区に変わりはないが、20歳の中田の将来展望も考慮して、踏み切ることになりそうだ。今季は初昇格は果たしたが、1軍わずか22試合出場で打率2割7分8厘、打点1と伸び悩んだ。守備の負担を少しでも減らし、打撃を生かす。育成の2年間を終え、中田にブレークのチャンスが到来した。【高山通史】

 [2009年10月13日8時19分

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