西武は日米20球団の先陣を切って花巻東の菊池雄星投手(18)に「東北人の成功例」をアピールする。宮城の岸孝之投手(24)、青森の細川亨捕手(29)をはじめ、今季途中に阪神から移籍して活躍した藤田太陽投手(29)も秋田出身。ある球団幹部は「東北の人は仲間意識が強い。菊池くんの岩手を取り囲むように、頼りになる近県の先輩がいるのは心強いと思う」と話した。仙台に楽天球団はあるが、東北出身選手の実績という点では負けない。

 とけ込みやすいチームの雰囲気が、最大のアピールポイントだ。阪神では1軍定着できなかった藤田や、繊細で控えめな東北人気質の岸が、伸び伸びと力を発揮できているのも無関係ではないだろう。本拠地の埼玉・所沢は近隣に娯楽施設が少なく、野球に専念できる環境も都市部の球団にはない魅力の1つ。中島、中村、涌井といった高卒選手の育成実績とともに、「みちのく選手歓迎」の熱意を菊池本人に直接伝える。

 [2009年10月16日8時38分

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