<パCS第1ステージ:楽天11-4ソフトバンク>◇第1戦◇16日◇Kスタ宮城
楽天の岩隈久志投手(28)がエースの投球で大きな勝利をもたらした。先発し、ソフトバンクを9回6安打4失点に抑えて完投した。7点リードの4回に3安打などで一挙4点を奪われて崩れかけたが、5回以降は立ち直って相手の反撃ムードを断った。05年の球団創設時からのエースが最高の流れをつくり、第2戦の先発田中将大投手(20)にバトンを渡した。
岩隈は相手よりも自分を抑えることに集中した。気合十分に初回から飛ばし、3回までソフトバンク打線をパーフェクトに抑え込んだ。だが、気合が空回りした4回に不用意な点を失った。「すごく気合が入りすぎると周りが見えなくなっちゃうんで」と苦笑いした。踏み出し幅も微妙にずれ、バランスまで崩した。それでも立ち直れるのがエース。WBC決勝での先発を思わせる気迫と技術がかみ合うと、後は最後まで投げきることだけが目標となった。
エースもまた「野村克也」に学ばされた1人だ。期待の大きさから、好投しても称賛されることは少なく、勝ち試合で早期降板すれば「マウンドを降りたがる投手は珍しい」と報道経由で厳しい言葉を浴びせられてきた。「この4年間で、いろんな意味で成長できた。監督に直接言われるよりも、ファンの人に『岩隈ってそうなんだ』と思われるのが悔しかった」と振り返った。右肩、右ひじ痛から復活する中で、野村監督から学び取ったのは耐える心。動じない精神力を身につけた男にとって、大事なCS第1戦など恐れるものではなかった。
短期決戦で他の投手陣に負担をかけない完投勝利。野村監督も「4点取られた時は心配したけど、完投というオマケまでついてよかった。(完投は)本人が行きますと意欲的だった」と評価した。2万1303人のスタンディングオベーションの中、お立ち台に上がったエースは「明日(第2ステージ進出を)決めて、日本シリーズにも行きます」。ひと呼吸おいて「てっぺん取るのは、本気ですから!」と声を響かせた。本気の男の目には、もう日本一しか映っていない。【小松正明】
[2009年10月17日9時40分
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