<パCS第1ステージ:楽天11-4ソフトバンク>◇第1戦◇16日◇Kスタ宮城

 秋山ホークスががけっぷちに追い込まれた。楽天とのクライマックスシリーズ第1ステージ初戦。エース杉内俊哉投手(28)が、まさかの3回途中7失点KO。後続投手陣も打ち込まれ、計11失点での大敗を喫し、第1S突破へ王手をかけられた。絶体絶命のピンチに、秋山幸二監督(47)は「明日はやり返す」と逆襲を宣言した。このままじゃ終わらない-。

 屈辱の敗戦を受け止めると、秋山監督は移動バスへと歩を進めた。ほかの首脳陣やナインの多くが険しい表情で移動車に乗り込む中、指揮官はあえて足を止めた。普段は多くを語らない秋山監督だが、この日ばかりはこの言葉を吐き出すために、立ち止まった。

 秋山監督

 明日はやり返さないといかんな。

 エース杉内が3回持たずに7失点と炎上。繰り出す投手陣も打ち込まれ、大量11失点。打線も4点を返したものの、6安打はすべて単打。岩隈に完投を許すなど、敵地Kスタ宮城の雰囲気にも飲み込まれ、投打に圧倒された。6回裏には懸念していたミスも絡んで3失点。どれもが敗戦の要因だ。「(杉内は)ボールが高かったな。中8日くらいか。ウチの展開じゃないよな。6回の3点もミスが絡んだからな。明日はこちらの試合にしないとな」と秋山監督。完敗は認めつつ、17日も負ければ09年の戦いが終わってしまうがけっぷちで、逆襲を宣言した。

 王手をかけられた一戦でも、秋山監督の強靱(きょうじん)な精神力と選手を信じるスタイルは変わらない。この日昼のミーティング。楽天戦の打率が4割5厘と好相性だった多村の腰痛が悪化していることを伝えられた。同席していた角田球団代表が、そのときの様子を証言した。「普通なら心中穏やかじゃないだろう。それでも動じることなく『仕方ない。いるもので戦う』と言っていた」。大一番に加え、緊急事態に襲われ、ピリピリとした緊張感が漂った宿舎出発前の全体ミーティングで、秋山監督はナインにこう声をかけた。「のびのびとウチらしい試合をしよう」。3点を追う5回に、無死一塁で1番本多は送りバント。今季、球団記録のシーズン137犠打を記録するなど、1点にこだわるスタイルをこの日も貫いた。悔いはないはずだ。

 もちろん、乗り越えなければいけない壁は大きい。17日の楽天先発は田中。07年8月17日を最後に土をつけることができていない天敵だ。しかも、楽天ファンで沸きに沸くKスタ宮城では、今季カード勝ち越しが1度もない。それでも、秋山監督とナインの思いは重なる。主将小久保が力強く言った。「今日はもうええやろ。振り返ったってしゃーない。明日や明日。振り返るのはシーズンだけや」。失策を犯した川崎も「気持ちを切り替えてやります」と言い切った。史上初のシーズン3位からの逆転日本一へ。まだ、秋山ホークスは死んではいない。【松井周治】

 [2009年10月17日11時39分

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