クライマックスシリーズ(CS)第2ステージ(21日~、札幌ドーム)の登板を断念した日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、縁の下の力持ちとして全試合に“フル参戦”する。マウンドには立てないが、1軍帯同してベンチ裏から後押しする予定。調整先の宮崎で「ここにいるよりも、札幌へと戻って一緒に戦いたい」と悲壮な決意を見せた。

 投手陣の若き大黒柱としての自覚だった。18日にフェニックスリーグでの主力組の実戦調整は打ち上げ。宮崎から空路、決戦の舞台・札幌へ移動する。ダルビッシュもリハビリを打ち切り同行。梨田監督の「投げられなくても一緒に戦う。存在感は大きい」との狙いから、共闘するプランが決まった。第1戦からロッカールームで、応援することになる見込みだ。

 レギュラーシーズンの離脱期間中の終盤戦でも、先発投手や故障者らに許される早期帰宅をせず、試合終了まで見届けてきた。厚沢投手コーチは「ダルに限らず、うちの選手はそういう気持ちを持っている。投げなくても(試合の)最後まで、戦ってくれるでしょう」と見通しを話した。

 雰囲気づくりやピンポイントアドバイスなどもしながら、はやる気持ちを抑え、状態が好転することを待つ。ダルビッシュは「投げたいですけれど、今は無理をしても…。心を鬼にして、休むところは休まないと」と複雑な心境を明かした。傷ついたエースが精いっぱい、側面から献身的にサポートする。【高山通史】

 [2009年10月18日10時20分

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