投打でチームトップの成績を挙げた2人が、秋季キャンプでさらにレベルアップする。阪神は17日、甲子園クラブハウスで全体ミーティングを行った。最高打率の2割8分8厘だった鳥谷敬内野手(28)は、ルーキーイヤーから6年連続の同キャンプ参加が決定。前日16日に就任した片岡新打撃コーチの指導に興味を示した。またチーム勝ち頭の13勝を挙げた能見篤史投手(30)も、休むことなく、同キャンプ参加を志願した。

 堂々たる主力に成長しても、謙虚な姿勢を崩さなかった。鳥谷は、秋季キャンプ参加について「まだ言われてないです。ただ僕の場合は行く、行かない、を選ぶ立場ではないですよ」と笑った。ルーキーイヤーの04年から続く秋季キャンプ参加。現時点でキャンプメンバーに名を連ねており、参加することになる。

 今季はチームトップの打率2割8分8厘(規定打席到達者)をマークした。前半戦の不振から復活し、後半戦で打棒が爆発。それでも目標に掲げた打率3割をあと1歩で逃しており、満足感はない。「後半よかったといっても来年はやってみないとわからない。状態がよくても打てない時もあるし、状態が悪くても打てる時もある。ただ準備はしっかりしたい」と話した。

 悲願達成に向けて、来季は追い風もある。前日16日に片岡新打撃コーチが就任した。片岡コーチは現役時代に3番が多かった経験を基にして、鳥谷の3割到達をバックアップを表明している。鳥谷は「同じ内野手で左打者だった。共通する点はあると思います。今までやってきたことを含めて(片岡コーチの助言を)試していきたいと思う」と話した。今季の1軍は和田、中村両打撃コーチがともに右打者だった。同じ左打者出身として、新しいヒントが期待できる。

 和田打撃コーチは、鳥谷について「後半はよく頑張ったが、トータルでみれば例年と同じような成績。そこで落ち着いてもらったら困る。能力はあるんだから」と奮起を期待した。「ベストをつくれる形にして来年に臨めればいい。徐々に気持ちの面で来年に向けて、というのはある」と鳥谷。片岡新コーチとともに秋季キャンプで汗を流し、向上を目指す。

 [2009年10月18日11時20分

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