敵将の奇策にははまらない。21日に開幕する楽天とのクライマックスシリーズ(CS)第2ステージに臨む日本ハムが20日、本拠地札幌ドームで最終調整を行った。機動力を絡めて作戦を仕掛けてくる「野村野球」への対抗策は、“徹底無視”。パ・リーグを制した普段着野球で日本シリーズ進出を勝ち取る。

 百戦錬磨の知将が相手でも、動じることはなかった。CS第1ステージでも重盗を試みるなど、シーズン中以上に策を講じてくる短期決戦の野村野球だが、梨田昌孝監督(56)は「いけると思えばウチだって送りバントだけじゃないし、機動力は使える。勉強させてもらいますよ」。今季限りでの退任が決まっている名監督との最後の決戦を前に、不敵な笑みを浮かべた。

 独特の揺さぶりにも、奇策にも動じない。21日の初戦に先発する武田勝は、38球のブルペン投球で最終調整。シダックス時代の恩師でもある野村監督からは「いつまでもあんなヘボピッチャーにやられているようじゃ寂しい」と“口撃”を受けたが、師匠の胸の内は熟知しているだけに「最高の褒め言葉だと思っています」とサラリとかわした。

 森本が「野村野球の印象?

 特にないです。やるのはピッチャーとバッター」と話せば、田中も「(野村監督の話題のおかげで)注目されるのは逆にうれしい。野球をやるのは選手」。さらにマスクをかぶる鶴岡も「いろいろ奇策をしてくると思いますけど、やることは決まっていますから」と無視を決め込んだ。スマートに受け流し、試合に臨む気構えができている。

 パ・リーグ王者の自信に裏打ちされている。チーム打率、防御率ともにリーグトップでペナントを制した実力がある。梨田監督は「ファイターズらしい野球というのはシーズン中と変わらない。ミスをすれば失点が多くなるし、守りも走塁も含めて、そういうところが大事になってくる」。相手の出方に惑わされることなく、守備からリズムを作る日本ハムの戦い方をすれば、おのずと結果はついてくると確信している。

 野村監督の采配は、リードした場面ほど積極的になるという分析も済んでおり、主導権を与えなければ恐れることもない。第2ステージはリーグ1位の日本ハムに1勝のアドバンテージがある。指揮官は「故障者も癒えたし、次のステージへ進みたい。リーグ1位通過しているし、日本シリーズに出られる権利は取らなくちゃいけない」。奇策は無視し、横綱相撲で頂点まで駆け上がる。【本間翼】

 [2009年10月21日10時46分

 紙面から]ソーシャルブックマーク