コンディション不良のため、クライマックスシリーズ(CS)第2ステージの登板を断念した日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、「舌戦」のマウンドへ上がった。20日、札幌ドームでの最終調整に参加。21日からの本番ではベンチ裏に待機し、応援部隊の1人として一緒に戦う。楽天田中を、ジョーク交じりの痛烈なひと言でけん制した。

 ダルビッシュが、黒子役の所信表明とばかりの“剛球”を、勢いのある楽天陣営へ投げ込んだ。ターゲットは、世界一になった3月のWBCのチームメートで、公私でかわいがっている楽天田中だった。

 17日の第1ステージ第2戦で、田中は無四球完投勝利。初戦岩隈から連勝での第2ステージ進出へ導いた。同ステージでは3戦目以降の登板が濃厚で、その警戒する右腕をあっさりと斬(き)った。「(好投は)あの1回だけでしょう」。日本ハムは田中に対して今季3戦3敗と苦手にしているが、軽々と一蹴した。

 大舞台を袖から見守る使命をまっとうするかのように不敵な笑みを浮かべ、ブラックジョークで揺さぶった。「応援するしかないです。本当はここ(1軍)にいるのも嫌なんですけれど今、外れたら後悔するんで」。1軍メンバーから離れ、リハビリに専念するという選択肢もあったが、梨田監督らと話し合った末に帯同を決意。仲間たちの激闘を見守り、サポートへと全力を尽くす大勝負の前哨戦で、マー君へ、まず口撃をさく裂させた。

 チームメートへ全幅の信頼を寄せ、復帰登板のチャンスが広がるように望みを託す。31日から始まる日本シリーズへ進出果たせば、コンディション不良が好転し、マウンドへ立てる可能性が出てくる。「ピリピリした感じもないし、雰囲気も良さそう。それがこのチームのいいところです」。投げられなくても、まっすぐな思い、言葉で、舞台裏を支える主役になる。【高山通史】

 [2009年10月21日10時47分

 紙面から]ソーシャルブックマーク